遠い記憶となってしまった学生時代。
明らかに不良っぽい奴や気の弱そうな奴が目に見える形でいる時代だった。
怖そうな奴には近づくまいとおびえながら学校生活が送っていた事も、今は懐かしい思い出として残っている。
必死でアルバイトをしながら貯めたお金でレコードを買い、何度も何度も聞いていた。
憧れの先輩のようになりたくて部活に入ったが、怪我で挫折もした。
最後まで告白出来ずに集合写真に写る彼女ばかりを見ていた事も。
そっと抜け出して喫茶店にたむろした事も。
卒業式に一人だけ制服のボタンを欲しいと言ってきたあの子も。
全てがモノクロームのように薄れていく。
数えきれないほどの些細な瞬間が、大切な時間だった事を今になって感じる毎日だ。
一日がとても長く感じた時間の流れ。
いつかまた逢えるという、遠い約束を果たせていないまま、
足早に時間だけが経っていく。
大人達は経済成長の真っただ中で、メイドインジャパンのブランドが世界中に広がっていくのを見ながら私は荒れていた学生時代を過ごしていた。
学校に行く事が当たり前で、欠席する事はとんでもないという考えの下、イジメがあろうが熱が出ようがみんな通っていた。
親は先生という存在を正に「先生」逆らってはいけない人達という捉え方で接していた。
それは、問題が起きても全て学生が悪いという構図でもあった。
家にある黒電話。
大抵、親がでるので誰からかかってきたかがすぐに解るし、友達との会話が長くなると怒られる。
ゲームなど無かったから、外で遊びまくっていた。
最大の娯楽はTVと漫画だった。
みんな情報を共有していた時代でもあった。
手や足に障害がある子や、在日外国人もいたが、少なくとも私の記憶では差別は無かった。
陰であったかもしれないし、辛い思いをしていた子もいたかもしれないが、今の様にSNSや撮影といった陰湿な行為やイジメがそもそも出来なかった時代。
大人達の方が偏見や差別意識が強かったように思う。
時代は変わってしまった。
当時の大人達の考え方を引きずるやり方では、子供達がどんどん疲弊する。
そして夢を持て!頑張れ!世界を見据えろ!と大人達は言う。
私の廻りには、夢破れたり失業したり、家族を、その日を食いつなぐ為に仕事をしている人達の方が圧倒的に多い。
頂点に立てる人は、夢が叶う人はほんの一握りだろう。
それでも、いつ訪れるやもしれない幸せや希望を胸に頑張っている。
いや、仕方無く毎日をやり過ごしているのかもしれない。
今のTVやネットは果たして本当の社会を映し出しているのだろうか?
飽食や旅番組は、皆が実現できている事なのか?
社会が狭まっている。
広い野原で遊びまくる子供達がいつ戻ってくるのだろうか?
子供は国の宝物だ。
彼らに流れる時間は、人生の長さから見るとほんの一瞬しかない。
その一瞬の中に、大切な想い出が凝縮されている。
きっと、彼らから見る大人の世界は、余りにも早く映っている事だろう。
大人になっても、歳を重ねても少年の心を持っていたい。
心の底から笑える、涙する心を持ち続けていたい。
オリジナル曲 TOM(ユニット)
「My School Days」
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