心の道標

様々な自分の疑問に、自分で答えを見つける旅

外国人と暮らす事⦅マニラ・ハイツ⦆(1)

私の知り合い、友人達は馬鹿?が多い(笑)

勿論、悪い意味ではないが、知り合い親交が続いている人達の多くが、フィリピンパブで知り合った、お客さん同士という関係なのです。

同じフィリピンというキーワード以外は、年齢も経歴もみんな全く違っている人達です。

そして、もう一つ共通しているのが、バカじゃないの?って言葉を掛けたくなるような人達なのです。

もうみんないい年なのですが、少年の様な心を持ち続けている人達なのです。

 

勿論犯罪等を起す人達という事ではありませんが、不倫や隠し子なんて事も。

それでも、子供達にはフォローをちゃんとしていて(良し悪しは別として)、悲壮感も感じさせない輩もいます。

違う職種だからこそ、その人ならではの経験を含む色々な話を聞く事が出来るのが楽しみでもあり、勉強にもなってきました。

 

フィリピン人の妻と結婚する為に、フィリピンに初めて行った時の話ですが、以前から友人が「フィリピンに来た時は連絡してくれ」と聞いていたので早速連絡を取りました。

彼もまた、日本のフィリピンパブでお客さんとして来ていた一人です。

待ち合わせの場所で妻と一緒に待っていると、やたらでかい車が止まり、彼が声を掛けてきました。

どんな職業でどんな仕事をしていたのか、いまだに解らないのですが(笑)

運転手付きの車に二人で乗り込み「お祝いにいい店に連れて行ってあげる」と彼。

着いたお店はなんと、でかいホールがある所でした。

常連さんだったのでしょう。まるでVIPの様に案内され、いざ中へ

暗がりの中テーブルに案内され座ると、ステージでは裸の女性達20人ぐらいが踊っているではありませんか!思わず彼に「あの~オレ結婚するんだけど」と。

勿論妻もキョトンとした目で、ステージの女の子を眺めていました。

席に着くと彼がすべてオーダーしてくれていて飲み物が運ばれてきました。

するとボーイの様な人が私達の後ろに立っているのです。

そして肩をもみだしました。彼は「サービスだからいいんだよ」っとニコリ!

現地の言葉、タガログ語もペラペラな彼の、彼らしいお祝いをしてくれたのです。

料金もかなり高かったと記憶していますが、支払いは私達が知らないまま済ましており、一切お金を受け取ってくれなかった彼。

でっかい高級車で消えていきました。

 

今の集合住宅〇〇ハイツに引っ越してきたのは、フィリピンパブに通っていたフィリピンパブベテランの人(私と妻の共通の友人)が、このハイツに引っ越ししてきたことからでした。

彼がキッカケで、ハイツにに空きがあるので引っ越しを私に勧めてきたのです。

敷金礼金0円で更新料も無しという事と、少し高い家賃だったのですが、東日本大震災で、少し傾いていた木造アパートでの今後の生活を考え、決意し引っ越しを決めました。

大家さんは以前、リスクがある外国人の入居を断っていたそうですが、大家さんと親しかったベテランさんの仲介でOKになったのです。

外国人としては妻が初めての入居でした。

 

私の妻の明るい性格もあり、大家さんとも親交するようになって、次第にフィリピン人(外国人)に対する考えが変わって本当に優しく接してくれています。

入居する一カ月前から準備期間として部屋を無料で開けてくれたので、チョットずつ荷物を運べ、引っ越し費用もほとんどかかりませんでした。

まだ子供が小さい時は誕生日の値段が張るプレゼントをして頂いたり、建設会社の大家さんという事もあり、様々な家のトラブルも全て即刻対処してくれたりと、一見不愛想な人ですが、冗談には冗談で返してくれる優しい人なのです。

妻をキッカケに空き部屋がどんどん埋まりました。

というより、開けばすぐ埋まるのです。

妻の伝手(つて)で、部屋を探しているフィリピン人達が引っ越しをしてきたのです。

上の階に住んでいる、一人暮らしの日本人男性は、妻がたまに働くフィリピンパブのお客さんですし、その横はそのパブで働いているフィリピン人男性といった具合。

今では〇〇ハイツでは無く、マニラハイツと呼んでいるぐらい多くのフィリピン人が住んでいます。

3Fの日本人の夫、Hさんとフィリピン人妻は入居の際、リフォームというかリノベーションぐらいの勢いで、部屋を自費200万掛けて改装しました。(勿論、普通は大家さんがやる事)鉄筋構造のハイツなので、壁を取り除いたり、ドアやキッチンを自分好みのものに変え、我が家とは全然違う間取りで、入った時は同じハイツなのか?とビックリするぐらいです。

借家に自費で、しかも大金をはたいて改装するHさんの馬鹿さ加減が爽快で、それをOKとする大家さんにもビックリしますが、何よりHさんの人柄の良さが、私達にもいい影響を与えてくれています。

このハイツは、大家さんが入居する前に希望を聞いてくれ、ある程度改装(部屋の数や壁の有無)をしてくれるビックリするようなところで、ハイツ内のそれぞれの部屋の間取りや壁紙はみんな違うのです。

最近も妻と私の友人のフィリピン人カップルが引っ越しをしてきましたが、TVを壁掛けにすると部屋が広くなると大家さん自ら、彼らと一緒にホームセンターに取付金具を買いに行き、取り付けていました。

ちなみに、妻の希望で我が家は玄関横に、靴入れの小さな物置を作ってもらいました。

大家さんが妻に「シャンデリア付けたい?」とか「壁を取って、大きな部屋にする?」と聞いてくるのにもビックリしました。(勿論、無料です)

とりあえず、「お金を払うのでインターフォンをつけて欲しい」と頼むと、裏の大家さんの建設会社の人がすぐ来てくれ、すぐ設置して「お金はいらないから」と言って帰って行きました。

私達の部屋は一階の端にあるので、庭があるのですが、隣の一人暮らしのフィリピン女性の庭は、花壇にテーブル、パラソルと、大家さんが作り変え、全く違う雰囲気を出しています。

またエアコンをつける際、大家さんに「穴を開けたいのですがいいですか?」と聞くと、「何処でも、好きなだけ穴をあけていいよ」との答え。

長年、借家暮らしで転々としてきた私ですが、こんな所は初めてです。(笑)

私の家族と同じ、妻がフィリピン人で子供がいる家庭の友人も沢山います。

子供は当然ハーフという事で、中にはいじめにあったり、悪い方向に行ってしまったりと決して平穏とはいかない生活の人達もいますが、お互いに情報を出し合い助け合いながら生活しています。

外国人が、日本で生きていく上で情報はとても大切なツールになります。

同じ国の仲間がネットワークを作り、情報共有をしているのですが、その力は私が感じている以上に威力があります。

どうしたらそんな情報がと思う事も沢山あり、同じ国のネットワークの凄さにいつも驚かされます。

 

妻が外国人である事で、私自身の考え方にも大きな影響を与えています。

フィリピンは、貧しい国でこれといった産業も無く、医療や教育もお金次第で、ほとんどの人達はお互いに助け合って、その日暮らしの様な生活をしているのです。

その様な国内事情を彼女から聞く度に「日本ってまだまだマシな国だなぁ」とつくづく思いますし、逆に昔の日本の様に、家族を大切にし、隣人同士助け合う習慣が残っている事がうらやましくもあります。

長く住んではいますが、難しい漢字やお役所が書くような文章はなかなか理解できないので、私のサポートをとても喜んでくれます。

例えば、料理レシピに出てくる「薄力粉」「片栗粉」は、「なんて書いてある?」と何度も質問するので、私自身が使い方や、種類を覚えるようになっていましたし、外国籍ならではの諸々の手続きも覚え、同じような人達にアドバイスも出来るようになりました。

そして何より一番助かったのは、「ケセラセラ」「Let It Be」という彼女の言葉です。

金銭的な事や仕事、病気等のピンチの時に「明日は明日。成すがまま。何とかなるから」という前向きな彼女に何度も助けられた事です。

 

 

彼女は子供時代から裕福ではなく決して幸せとは言えない生活をしてきました。

家計を助ける為のゴミ拾いから始まり、ビニール袋売り、貧困にお父さんの博打、飲酒が追い打ちおかける悲惨な環境。

進学を諦め、元恋人による暴力や片目の見えない生まれた子供の事、両親を含む兄弟の進学の為、日本にいく事を決め頑張ってきたことなど苦労の連続であったにもかかわらず、悲観することなく常に「何とかなる」という言葉を支えに今日まで生きてきた彼女の言葉は裏打ちがあり、心の底まで響くのです。

勿論、喧嘩もたまにしますが、歳が13年も離れている事も関係あるとは思いますが、次の日に引きずった事はありません。

彼女の間違った日本語を聞くと、可愛らしくて腹も立たなくなるのです。(笑)

 

日本は観光や仕事でのビザは比較的簡単に取れますが、特にアジア圏の友人や家族を呼ぶ際はかなり面倒くさい作業が必要で、呼べたとしてもビザ延長は大変ハードルが高いのが実情です。

もう時効ですが、偽装結婚した友人や不法滞在の友人もいました。

その理由は母国にいる家族を助ける為です。

考えると解るのですが、その裏には必ず金儲けをたくらみ弱みに付け込む日本人がいるという事です。

ブローカーや悪質な業者や学校、偽装に加担する日本人に対し、もっと厳しく取り締まる事が本来の姿であるにも関わらず、この国は、外国人は何かをするかもしれないからしっかりと管理をしなければいけないという間違った観点から動いているのです。

 

冒頭、家の話を書いたのも外国人にとって家を借りる事はハードルが高いのです。

特にアジア系の人達は大変苦労します。

以前住んでいた借家の管理をしていた不動産屋の人は私に「外国人の友人は入れないでくれ」と言われました。

何故かと聞くと「外国人はうるさいから」と。

また外国人だけでは貸さない事も言われました。

例え大家さんが貸すとなっても、不動産側は保証人は日本人でないとダメとか。

理由はうるさいの他、いつの間にかいなくなり家賃を踏み倒すとか、ゴミを分別しない等沢山の理由を並べていましたが、日本人でも同じことをする人は沢山います。

未だに夜逃げ専門引っ越し屋が存在しているし、近所づきあいでもめている所は数多く、殺人事件まで起きている事からも解ります。

正に偏見でしかありません。

昔はちらほら見かけるくらいでしたが、最近3Kと言われる職種で働く外国人労働者をよく街中で見かけるようになりました。

その職種は建築現場や除草作業、解体作業や介護やベッドメイキング、ゴミ収集に新聞配達等多岐にわたり、私達の生活の基盤になる仕事に従事してくれています。

その働きぶりは日本人以上で、多くの人達は真面目に取り組んでいる方々ばかりです。

政府はドライバー不足も外国人に助けてもらう様な政策を打ち出していますが、単に労働力としか見ていない私達一般人も多く、前述の様な発想しか出来ない情けない受け入れ国となっているのが現実です。

円安も進む今、日本に活路を求め来日する人達は今後少なくなるでしょう。

まして、日本人の嫌う職業や賃金、差別や待遇の悪さが拍車をかけます。

結局、彼らの事を単に労働力としてしか見ていない政策や日本人の外国人に対する今までの感覚のままでいると、そのツケを払わせられるのは私達なのです。

 

外国人と暮らす事(2)に続く

 

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