心の道標

様々な自分の疑問に、自分で答えを見つける旅

外国人の苦悩⦅嫌われる日本⦆(3)

ある知り合いのフィリピン女性が家族ビザ(査証)で弟を日本に呼びました。

家族ビザでは働く事も出来ませんし、最高でも延長手続きが認められたとして6ヶ月です。

観光や、女性の子供相手をしたりして生活をしていました。

勿論日本語が全く出来ません。

私達夫婦の傍に住んでいたので、彼とも仲良くさせてもらっていました。

弟さんはSNSをやっていたのですが、偶然学生の頃の女性と連絡が取れ、そのフィリピン女性が日本に住み、電車で1時間半の所に住んでいる事が解りました。

弟さんは懐かしさもあり、会いにいく事になったのです。

弟さんには3人の子供がいて奥さんは病気で亡くなってしまいましたので独身でした。

同級生のフィリピン女性は離婚し独り暮らしで、大手の会社で働いており、マンションをローンで買うほど日本での生活になじんでいて、日本語もしゃべれる人でした。

何度か弟さんは会いに行き、お互いに心を通わせ結婚したいと思う様になったのです。

 

弟さんが帰国後、そのフィリピン女性は結婚を決意し日本国籍を取り、弟さんとフィリピンで結婚。

その後配偶者ビザで再来日したのです。

私達夫婦の所にも、二人で遊びに来るぐらいの仲の良さでしたが、その妻となった女性が私に相談してきました。

会社でイジメにあっている事や無視されるという様な事で、私なりのアドバイスをしましたが、その後休職し数か月後に退職してしまいました。

ローンの事もあるし、大手の会社なので何とか工夫をしてもらい、やめる事はしない方が良いと話した矢先でした。

夫である弟さんは仕事が見つかり働いていたのですが、フィリピンに残してきた子供達に仕送りをする為でもありました。

その事は妻の了解も得ていましたが、妻がうつ状態になってしまい、病院に通いだしたのは良かったのですが、先生が気に入らないという理由で辞めてしまいました。

家のローンや管理費、食品に光熱費と支出は待ってくれません。

夫は日本語が解らない事もあり、金銭管理は妻がやっていました。

妻は長くて一週間ほどしか仕事が続かず辞めては探すの繰り返し。

夫に対しても暴言を吐くようになってしまいました。

夫は結婚ビザですから妻の助け無しには更新もままなりません。

家事を全部こなし仕事に行き、家では夫婦喧嘩の毎日。

ビザの事があるので夫は妻に何も言い返す事もしませんでした。

そんな彼から電話をもらい、近況を聞き始めて私達夫婦は実情を知りました。

夫の収入は、税金などを引くと15万円で仕送りに5万円。

残りは全て妻に渡していましたが、妻はその仕送りを辞めてくれと強い口調で言い始めたのです。

電話があった時に、こちらに一泊でも一人で来ないかと提案。

彼は土日を利用し自分の妻の許しを貰いやってきました。

しばらく会っていなかった彼は体も痩せ、ロクに食べていない事や、妻の暴言で心がまいっている事、今後ビザを更新してくれないかも知れないなど涙ながらに私に妻にタガログ語で話していました。

丸二日、彼は何もしないでもいい時間を過ごし、少し心身とも落ち着き帰って行きました。

 

幸せになる為の再婚同士が、より苦しむ結果となってしまた事と、お互いの人生設計が一気に狂いだし、

私達に何が出来るか、夫婦で色々と話し合っていますが、良い知恵がなかなか思いつきません。

彼の妻は、心が病んでいる事を解りながら認めたくないようです。

離婚する可能性も高くなって、何かあれば手続き等手助けする約束しか出来ませんでした。

日本に夢を描き、幸せになれると信じ来日した彼。

誰も幸せにはなっていません。

体も心も壊れていく彼の姿を見るにつけ、外国人にとって日本とは?

考えてしまいます。

 

前回から書いてきた在日外国人達の苦悩はほんの一握りで、日本全体からするともっと深刻な状態の人達もいる事でしょう。

入管施設で亡くなった女性に対する扱いが明るみになるにつれ、その対応のひどさを問われています。

入管法が改正され、「死ね」と言われている事と同然の様な強制送還される難民認定待ちの人も多くなるかもしれません。

また、政府はいわゆる3Kと言われるような人材不足の日本で、外国人労働者をこれからも職種を拡大して受け入れようとしています。

外国人による犯罪も、その多くが彼らを犯罪へと走らせる日本社会の裏の部分が起因しています。

また、外国人労働者日本語学校の裏で搾取する日本人がいる事をもっとマスコミも追及すべき事でしょう。

彼らは安全を求めて、また家族を養う為に安心安全な日本を夢の国として選んで来日してきているのです。

反対の立場になれば解ると思いますが、日本人が外国で問題にぶつかった時、果たして自力で何が出来るでしょうか?

誰が助けてくれるでしょうか?

世界経済フォーラム(WEF)がまとめた2023年版「ジェンダーギャップ報告書」で日本は男女平等の達成度合いは、なんと調査対象となった146カ国のうち125位という情けなさです。

社会は人間が、人間らしく生きていけるように作られた仕組みであるはずです。

国籍やマイノリティー(少数派)、性差や障害に有無で区別される社会は、結局自分達の首を絞める事になります。

誰でも歳をとります。

病気にもなります。

今まで普通に出来た事が、日常が、ある日突然出来なくなる可能性は誰にでも起きうる事です。

災害が多い国であり、原発のコントロールもままならい状態で、更に増やそうとしている国。

有事が起きる可能性を強調し、軍備費の大幅拡大を決めた国。

本当に正しい税金の使われ方でしょうか?

 

おもてなしの国の裏では、多くの弱者が苦悩を抱え、経済格差を広げ、貧困や一人親世帯等で子供達の未来までもが奪われています。

 

このままでは、日本に行きたいと思う外国人はいなくなってしまいます。

未だに民族主義や家族の在り方にこだわる人達。

そしてその事を背景として存在する宗教団体に媚びる政治家。

 

身近に外国人も含め、助けを求める人がいたら傍観だけはしないで下さい。

一声かけるだけでも救われます。

残念ながらまだまだ外国人の苦悩は続く事でしょう。

 

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