心の道標

様々な自分の疑問に、自分で答えを見つける旅

外国人の苦悩⦅在日外国人⦆(2)

国際結婚した私の廻りには、悲し現実がいっぱいあります。

その悲しみは、当たり前ですが本人が望んで作り出したモノでは無く、考え方や価値観、そして病気等、不可抗力な事が原因になっています。

 

政府統計e-StatのHPによると、具体的な数字は避けますが、国際結婚した夫が日本人で妻が外国人の離婚数は5~60%にも上ります。

その妻の国籍は圧倒的にアジア圏の国。

勿論離婚理由は、日本人同士と同じ性格の不一致や、環境や食べ物になじむ事が出来なかったり言葉の問題だったりと、外国人ならではの理由もありますが、少なくとも私の廻りでは金銭的な理由が大半を占めています。

 

外国人との結婚を目的としたサイトもあるし、在日中に日本人と知り合い結婚する場合もあります。

また、日本のビザ所得目的の偽装結婚もなかなか失くらないのも現実です。

取り締まりの為の実態調査人員が圧倒的に少ない事も、要因として考えられます。

日本人ブローカーだけでなく、在留外国人による斡旋も巧妙化しているのも原因で、全てが外貨稼ぎとは言えませんが、法の網をくくり抜け在日している外国人は、ほとんどお金目当てです。

 

以前にも書きましたがアジア圏から来日した人達は、本国の家族を養う為に来ています。

私もそうですか、フィリピンパブの様な夜の世界での出会いや職場、知り合い等を通して結婚に至るケースが多いのですが、私の経験から見ると日本人の多くが裕福では無いという事です。

勿論人間ですから、お金持ちやビザ欲しさで結婚する外国人もいます。

例えば外国人パブの場合、裕福で店に対して気前のいい使い方をする人は、ほとんど結婚相手として女性達は見ていません。

自身の売り上げの為に気を引こうとしているだけで、本心では無いのです。

彼女達が再婚相手や結婚相手に求めるものは、身長や顔、学歴といったステータスでは無く人間性を重視しています。

いくら店でお金を使っても、また個人的に高価なプレゼントをしても意味が無いという事です。

それは逆もしかりで、日本人パブやキャバクラでもいえる事です。

 

現地語のタガログ語以外に、教育では英語が使われるので、ほとんどの人は英語が話せますから、外国との取引や翻訳といった仕事はありますが、それにつける人は大学出で、ある程度専門知識を身に付けている人に限られます。

要するにフィリピンでは大学に行かなければロクな仕事が無いので、親は大学の費用を何とか賄わなければならないのです。

勿論大学に行けない人の方が多いのが現実ですし、学校すら通えない子も沢山います。

同居する両親や兄弟も多く、中には親類が同居している場合もあります。

結局大家族で暮らす人達が多く、当然生活費もかかります。

ではそもそもまともな仕事が無いフィリピンにいる人達は一体どうしているのかと疑問に思うかもしれませんが、その日暮らしの様な日雇いや洗濯の請負、食品加工等、低賃金で働いているのが普通です。

しかも時間給でもらえる仕事はほとんどなく、一日いくらというシステムです。

ちなみに私の妻の姉は、加工場で朝から夜まで働いても1日2.000円にしかなりません。

物価も上がり、子供の数も多い家庭では食べていくだけでも大変なのです。

マニラ等の大都市の賃貸料金は2kで15.000円。

大家族で住むなら最低でも30.000円もかかります。

たまにニュース等で日本の大型船の事故等が起きた時、船員がフィリピン人という事からも分かる様に、フィリピン人は外国での出稼ぎ者が多く、その外貨で家族を養っています。

特に女性は、中東国やアジア圏でハウスキーパー、いわゆる家政婦として働いています。

暴力を振るわれたり、性被害に遇ったりする人も多くいますが、訴える事も出来ず実態はハッキリとしていません。

 

話を戻しますが、私の妻がフィリピン人なので、妻をとおしてフィリピン女性と知り合う事が多いのですが、そのほとんどが真面目で仲の良い人達ですが、過去には地下バンク、いわゆる海外送金を違法の手段で請け負っているフィリピン人もいました。

また、日本人の夫と共謀して低賃金で働かさせる窓口になっていた女性もいました。

郷里を同じとする人間同士がだましたり搾取したりしているのを見るにつけ、心が痛みます。

このような事案の裏には必ず日本人が絡んでいるのです。

 

私達夫婦の知り合いで、フィリピン人の妻と結婚した日本人の場合ですが、妻には当然家族がいます。

結婚する時に、フィリピンの家族に援助しなければいけない事も話し、男性も承知の上結婚しました。

男性は、妻の親族が漁師である事を知り、生計を立ててもらう為ボートを購入し、これで援助は出来たと考えました。

しかしボートで魚を獲り、収入があったとしても、その日の売る上げ全て使い切るので(フィリピンでは先の事より今の事を優先する)、当然維持費や燃料代が払えなくなり無用の長物となってしまい、売り払ってしまったのです。

妻はその事を夫に話せなく、当然フィリピンの家族は困窮したままの状態になりました。

そこで、カードローンや銀行ローン、知り合いからの借金に手を出し、お金の利子等常に悩まさせられる事になり、心を病んでしまいました。

結局、自宅を売る事になった時点で夫に話し返済をしましたが、現在も借金があるとの事です。

要するに夫に全て話せなかったようです。

幸い、この夫婦場合離婚は全く考えてはいないので、早く落ち着いた日常が来る事を願っています。

 

あるフィリピン人と結婚した日本人の夫の家族ですが、二人の間に3人の子供が生まれ長男は、現在高校生。

一番下の長女は小学3年と、何かにつけお金が必要な生活を送っているのですが、この家庭でも妻のフィリピンへの送金の事で夫婦喧嘩が絶えませんでした。

ただでさえ子供にお金がかかるのに、送金なんて出来ないという夫と結婚当初から送金する事を話していた妻。

子供が大きくなるにつれ現実問題として二人を苦しめる事になってしまったのです。

結果、妻は心を病んでしまいました。

最初は胃の不快感や頭痛に悩まされ、病院で検査しましたが異常なし。

私達夫婦の説得で、精神科を受診し心が病んでることが原因だと解りました。

先生との問診時に私達夫婦も同席しました。

日本語が上手くない彼女にとって、心の状態を表現するのが難しく、私の妻がタガログ語で聞き、私が妻の日本語を補助する形で状態を伝えたからです。

この時点で子供達の食事も満足に作れない状態になっていました。

パート先からも解雇され、夫は60代半ばで今以上に働かなければならない状態になり、家に帰ると酔っぱらうまで酒を飲む生活。

問題なのは、当初夫が妻の心の病気を認めない、すなわち怠け者として捉えていた事で喧嘩になってしまった事と心の病気を今でもちゃんと理解していない事です。

私が彼女の夫に電話をし、精神科に来るように頼んだ時も、「面倒くさい」「なんで俺が行かなくてはいけないのか」という他人事の様な彼の言葉に胸が痛みました。

私達夫婦の友人である彼女からの話でしか現状が解らない事と、夫の言い分もある事なので一概に夫が悪いとは断言できません。

母親がクリスチャンという事もあり、長男が生まれてすぐ洗礼を受け、日本の教会に私達夫婦も立ち会いましたが、あの時の写真は皆が笑顔で幸せに満ち溢れています。

20㎏も体重が落ち、やせた彼女を見ると、どうする事も出来ないジレンマに頭を抱えてしまいます。

長男は、金銭的な事情が解る歳なので、友達との遊びを断っていたそうです。

外食や、カラオケなどお金がかるからです。

今も、「子供の為に」と頑張っている彼女が普通の生活に戻れるよう、微力ながら助けるつもりではいますが。

 

私達夫婦の共通の友人で、近所に一人で住んでいるフィリピン女性がいますが、日本人と結婚し一人の子供に恵まれましたが、不仲になり離婚。

いつの間にか子供の親権を夫が持ち、息子とは逢わせないと言い放って子供と家を出ていきました。

 

そして彼女は心機一転、私達の近所に引っ越してきたのです。

母親として、子供に逢いたい気持ちを殺しながら生活していました。

夫が母親に会わせないよう連絡先や、電話番号を消し、番号も変えてしまったので、一切逢う事も話す事も出来ませんでした。

それでも、当時中学生だった息子を見たくて彼女なりに色々調べ、会えば子供に辛い思いをさせると思い、学校の運動会に陰から息子の姿を見に行った事を話してくれました。

夫と子供は引っ越ししたらしく、居場所さえも解らなくなってしまいました。

その後、その別れた夫が病気で急死。

子供は児童相談所に預けられ、児童相談所が母親を探り当て、連絡して夫の死や子供の居場所を知る事が出来ました。

夫が亡くなって3ヶ月もたってからの事です。

私達は知り合いの弁護士に頼み、児童相談所とのやり取りや、多額の借金を背負わせないための財産放棄手続きをお願いし、やっと児童相談所で面会出来る事になりました。

職員や弁護士を交え、16歳になっていた息子との意思を確認し母親の元に引き取る事が出来たのです。

 

子供に関する銀行カードや働いていた為の書類等は児童相談所の方が出来る限り集めてはくれましたが夫には肉親がおらず、関係を断っていた従弟が骨を持ち帰っただけで、借金の事もあり弁護士の助言で借りていたアパートにも行けず、結局一切夫の情報を手にする事が出来ませんでした。

 

外国人には日本で戸籍が作れません。

ですから、転出届や転入先での子供に関するひとり親世帯の手続き、子供のキャッシュカードの暗証番号が解らず、ハンコも無い為の引き出しの手続き等、戸籍が無い母親には大変な手続きと時間がかかるのです。

想像してみて下さい。

親子である。子供である。本人である。その証明が出来ない事の大変さを。

個人情報保護法の壁はものすごく高いのです。

学校にも行けなかった為、子供の学生証も無く、マイナンバーも解らなく、写真付きの証明になるものも一切持っていない上、期限が切れた社会保険証と児童相談所が作った国民保険。

おまけに住む町が変わる事で、その国民健康保険すら使えなくなるのです

さらに離婚した夫の税金関連や年金関連、死亡診断書など、子供に対する福祉関連手続きには必要になる書類が山ほどあります。

戸籍がある日本人なら、持ち家に住んでいたなら簡単に出来る事が、全く前に進む事が出来ないのです。

子供に学習障害がある事も児童相談所の人がテストして解りました。

本来なら高校生活を満喫しているはずの子供だったはずですが、母親が会社を休み、今は二人で生活しています。

収入も勿論減ります。

手続きに関する書類集めの為の情報をネットや管轄する役所、行政に何度も何度も電話を掛け、何とかひとり親世帯としての、障害者としての恩恵を受けられるよう私達も協力していますが、これほど大変だとは想像もしていませんでした。

ちなみに子供の戸籍謄本を入手するだけで、10日もかかってしまいました。

戸籍も子供が18才にならないと、現住所に移す事も出来ません。

ただ、子供が楽しく笑顔でいる事が何よりの救いです。

早く、落ち着いた日が来ることを願ってやみません。

 

国際結婚は離婚率が高く、子供がいれば親権の問題や国籍の問題と、日本人同士の離婚よりもはるかに大変な作業と時間を取られます。

外国人の場合、ビザの問題も大きく子供がいるのか?成人しているのか?等、様々条件で日本に住めるかどうかが変わってきます。

特に大変なのは日本語です。

書類作成や申請等、日本人でも解りにくい堅い言葉が並んでいますから、日常会話が出来る程度の日本語力では、第三者に頼る事になります。

例えば、外国の書類を日本の役所に提出する場合、翻訳文を添付しなくてはならないのです。

業者にもよりますがA4サイズ1枚、4.000円もかかります。

その他弁護士費用も、ケースにもよりますが手付金だけで20万円以上必要になります。

外国人だけでなく、日本人も幸せになりたいと結婚したのです。

個々の事情での離婚や別居は仕方がありませんが、何より子供達が一番辛い思いをするのです。

日本の貧困率も高くなり、益々子供達が将来を決める選択肢が狭まっています。

外国人、ハーフの子供達だけでなく、日本人の子供達も暮らしにくい世の中になってしまった日本。

やはり、大人達が声を上げ、選挙で態度を示したいものです。

 

外国人の苦悩(3)に続く

 

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