心の道標

様々な自分の疑問に、自分で答えを見つける旅

外国人労働者の受入れ(2)

外国人労働者を安易に受け入れてはいけないのです。

弊害は日本人そのものにも影響してきます。

3Kと言われる仕事を始め、低賃金での働き手ばかりが増える事で、給料も上がらないうえ、今でも見かける様な、根拠も自制心無い、無教養な排他主義民族主義者の輩(やから)が、ヘイトや差別を助長するでしょう。

外国人労働者を安い労働力、いやモノとして扱うと、結局日本人の評価、すなわち国際的信用も落ちる上、賃金も上がらない事になってしまうのです。

何より、知らぬ間に自分の心を傷つけているのです

ブログを書いているので、他のサイトもよく閲覧しますが、とんでもない事を書いているブログも、たくさん目にします。こんな例がありました。

情報元の明記も曖昧で、しかも、いくら調べても裏が取れないものでした。

「タレントの8割が混血です。もう狂いまくっています。混血が悪いのか?悪いんです。必ず滅びるのです。歴史が伝えています。また混血が先行する南アメリカの劣化度で分かります。(中略) ダーウインは混血させたら駄目だと言ってるのです。ダーウインフインチなど絶対に混血したら死ぬのです。同じ様にイグワナに陸と海があるけどコレも混血は駄目なんです。生存に勝てなくなるのです。黒人と混血したら駄目なんです。……」

 

明らかに差別発言と思われる、裏打ちの無い記事には、「どうやったら、そこまで考えが至る様になったのか」同じ人間として、理解できないのです。

怒りより悲しくなってしまいます。

この手の話を信じ、広める人が増えているかもしれません。本当に悲しい事です。

もしハーフの私の息子が、妻が何かされることにならないか、それを考えると恐怖さえおぼえます。

その時は、どんな事をしても守るつもりですが。

 

にもかかわらず、未だに鎖国の様な外国人受け入れの少なさや、在日外国人や仮放免された人達に対する、対応のひどさは、この国がどのような未来を描いているのか、不安になってしまうのです。

何故なら、最強のパスポート(ビザ無しで渡航出来る国の多さ)を持つ日本人であっても、外国に行けば異邦人であり、何かのトラブルに遭う可能性もあるのですが、その時に前述の様な扱いを受けるとしたら?

もし日本政府が助けてくれなかったら?

自己責任?

世界で起きている、様々な紛争や戦争も、民族間の対立であったり、宗教の違いであったりと、自分達と異なる文化を排除する勝手な解釈が元になっている事が多い事でも解ります。

そして、その犠牲になるのは、いつも弱い立場の一般市民、子供達です。

 

この事は、弱い立場、物言えぬ人達に対する差別やイジメと同じ構図で、自分の不幸を、誰かの責任にする卑劣なやり方で、現在進行形の話でもある深刻な問題なのです。

これは単なる個人だけの問題では無く、全ての企業に当てはまる事で、対応を間違えると企業として生き延びていけなくなる時代になっている事を、経営者は肝に銘じて欲しいものです。

 

現在、フィリピンパブは激減しました。興行(芸能)ビザという枠でフィリピンからの入国が殆ど出来ないからです。

他国、主にアメリカから2004年『人身売買に関する年次報告書(英語版)』の中で、日本が人身売買容認国として名指しされ「性的搾取による人身売買であり、被害者である外国人女性を全く保護していない」と報告書で批判しました。

結局2006年頃からほぼビザが下りなくなり、査証審査や関連業者に厳しくなったのです。

私の妻も含め、当時彼女達は、ダンサーや歌手といった通称芸能ビザで入国し、お店と同じビル内にある、一室に数十人がたこ部屋の様に詰め込まれて、ゴキブリと、そのフンがウヨウヨしているその部屋で、6ヶ月ほぼ休みなしで働いていました。

(妻の場合は一月に一回の休み)もし6ヶ月休みなしで働けと言われたら、働けますか?

彼女達と親しくなってから、住んでいる所に入らせてもらった(内緒)のですが、あまりのひどさに絶句しました。

そして、エージェントと呼ばれる人達の事や、マージンなどの搾取の事も知りました。

当時は悪質な業者も多く、彼女達からも知り合いの話として、休み無しの労働や、賃金未払の事も聞いたのです。

それが、直接的な原因ばかりではありませんが、フィリピン人が逃げ出し不法滞在や偽装結婚などの問題が増えていきました。

裏には、食い物にする日本人が必ず絡んでいたのです。

偽装結婚した相手の日本人に毎月、数万円~数十万円を支払って滞ると、脅しをかけてくる輩(やから)もいました。

そんな仕組みや考え方が残念ながら、少なからず存在しているのです。

最近も知り合いの人の会社の事ですが、ベトナム人が研修生の枠で来日し、働いているのですが、繁忙期は、朝9時から夜9時まで働いているのです。

この会社はまだ、法律を守っているマシな会社という事ですが、昼休み以降15分程度の休憩しかなく、若い彼女達でもクタクタになるそうで、有給制度もあるのですが、制限を掛けられたり、言い出せなかったりと、自由に取れない現状だと話していたそうです。

何人も、日本人も含め働いてはすぐ辞める様な、過酷な仕事らしく、どうしても会社としては、外国人に頼る事になっているそうです。

勿論、彼女達は来日前に100万ほどの借金をして来ている事に変わりありません。

来日する発展途上国を中心とした国からの外国の人達を苦しめている事に、他人事としては決していけないのです。

 

この国は一体何を目指し、何をやろうとしているのでしょうか?

そもそも移民にもかなり消極的な政府であり、入国管理庁での外国人に対する扱いも、うやむやにする国なのです。

領土問題、避難民、北朝鮮による拉致問題アフガニスタンからのアメリカの撤退に伴う自国民や家族、協力者の保護など、とても信頼できる国には映りません。

勿論、自衛隊の位置づけや憲法の問題といった事情があるのも解りますが、それにしても、この国の国民に対する発信力の弱さは、目を覆うばかりです。

他国の人権侵害に対する取り組みも、この国が自由主義国なのか?と疑うような対応なのです。

外国人であろうと、日本人であろうと、そしてLGBTQの人であろうとも同じ赤い血の流れる人間です。

優劣も、血筋も、肌の色も、人間としての線引きに使う事を絶対にしてはならないのです。

そして、金儲けや欲、排他主義の為に人間の権利を侵す人達や組織を放置しては、必ずしっぺ返しが待っているでしょう。

誰でも法に守られ、自由に、何処でも出かけ、自由に発言出来き、働けば相応の報酬をもらうという当たり前の世の中は、少なくとも自由主義国のこの国にいる限り、例え外国人であろうと、容姿や性別を問わず保証されているはずです。

 

誰かの犠牲の上に成り立つような社会なら、それは見せかけの社会であり、保証も安心も無いたわ言の様なもので、同じ思いをいつか私達も味わう事になるのです。

同じ過ちを繰り返さないようにする事。

それは歴史を見れば、学べば一目瞭然で、多様性を失い、排他的な、不寛容な社会は、いずれまた過ちを繰り返すでしょう。

ヨーロッパ諸国に見られる移民政策やその事による失業、抗議やデモを見れば解る事です。

外国人を受け入れるなと書いているのではありません。

受け容れるなら、日本人と同等の権利や保証を整え、特に子供達の教育環境も含め、差別や格差を無くしてから、受け入れるべきです。

 

今多くのウクライナの方が来日をしています。

ニュースやSNSでしか情報は解りませんが、自治体を始め、ボランティアや一般市民が一生懸命助けようと動いている事に、同じ日本人として嬉しく、誇りに思いますが、一方で金銭的な問題や就労や、子供の学校や教育等、問題が徐々に浮き彫りになってきているのも事実です。

それは、外国人受け入れをやってこなかった経験不足や、地方自治体や個人や民間任せのほったらかしの政策を続けてきた政府のツケの表れとも言えます。

既に書いたように、外国人が住みだしたのはここ最近の事ではありません。

戦前、戦後から、在日の方々が暮らしていますし、戦中孤児と言われるような方々もいます。

その人達に対し、政府は、私達は正面からちゃんと向き合ってきたのでしょうか?

その方々の背景をちゃんと理解してきたのでしょうか?

どんな想いで祖国を離れ、日本で暮らし、子供を養ってい来たのか?

彼らは日本に対するどんな想いを次の世代に伝えてきたのでしょうか?

 

外国人も当たり前ですが人間です。

入国後色々な経験をし、自分の未来を考え残りたい人も出てくるかもしれませんし、子供が生まれたり、家族を呼び寄せたくなったりと、考えが変わっていくのは当然の事と言えます。単なる人手不足解消の為に外国人を受け入れ、ビザの期限が来たらハイ終わりという訳にいく事でしょうか?

私自身何度も書いていますが、外国人労働者の受け入れを反対している訳では無く、むしろ日本で幸せに暮らしていけるのなら、受け入れるべきだと思っています。

何故なら、新しい違った価値観を持った人達が増える事は、国の発展には欠かせないからです。

何より、同じ人間だからです。

勿論、世界で一番歴史が長いこの国の素晴らしい良い所を残しつつ、変わっていかなければいけない時期だと思うからです。

 

世界は、常に争いが何処かで続いており、本来、幸せの為に使うお金を殺人兵器につぎ込んでいるのが現実です。

武器を持って対抗する事は、無理だと本当は皆解っているのです。

戦争になれば、ルールなんか無視する事は、過去の事を調べれば解る事ですし、何より戦争体験者の言葉が物語っています。

ミサイルを撃ち込まれて、迎撃、撃ち落とせる確率も残念ながら年々の技術革新で無理になっています。

どれほど、軍事力を強化し、核を手にしたところで誰も幸せになる事など無く、むしろ自分達の首を絞める事になるだけです。

妻の国フィリピンでは、銃を持つ事は勿論許可制ですが、闇でいくらでも手に入る状況で、犯罪にも銃がよく使われます。

警官による犯罪も多く、銃による拉致や銃撃事件も発生しています。

アメリカの例を出すまでもなく銃がある事による防衛よりも攻撃、すなわち殺人に使われ、尊い命が奪われています。

越えてはいけない線引きがあり、理屈や思想を持ち出し、何かの誰かの利益になるような危険な線を越えてしまうと、決して元には戻れないのです。

 

戦争が始まれば、それはすべてが終わる事を意味するのです。

何より日本を標的にさせないような外交、話し合いでしか方法はありません。

それが、日本の役割であり運命だと思います。

 

何故、四季のある自然豊かな温暖な島国に位置し、様々な災害が起きる試練を自然は与えてきたのでしょうか?

そして災害が起きる度に、結束し誰もが優しさを与え、前向きに進んできたのでしょう?

国の真ん中に一つの山だけ突出し、あんなにも高くそびえ立ち、私達を引き付けるのはなぜでしょうか?

何故、夜も女性は独り歩きしていても、駅のホームや路上で酔っぱらって寝込んでも危害を与えられずに済むのでしょうか?

何故落とした財布が高い確率で返ってくるのでしょうか?

警察官が銃を持っていても、ちっとも怖くないのはなぜでしょう?

例え一円でも交番に子供が届ければ、ちゃんと書類を作ってくれ、「いい事をしたね」と警察官や大人達は褒めるのでしょう?

宗教が違っていても、何も気にならないのはなぜでしょう?

クリスマスやハロウィン、初詣にお参りと何のこだわりもなく受け入れているのはなぜでしょう?

それは、この国を取り巻く自然が、先祖たちに知恵を授け受け継いできたからです。

宗教や民族というような小さなくくりではなく、自然という大きな世界感を感じ取ってきたからです。

日本における民族のルーツをたどれば、近年のDNA研究でいくつもの血が混じっており、単一民族では無いという事も解ってきています。

(起源はアフリカなので、結局同じ種族ですけどね)

すなわち、血の繋がり云々(うんぬん)ではなく、この国で育ちながら自然が授けてくれた謙虚さや豊かな心を教えてこられているからです。

 

そして次の段階にきているのです。

この日本に住んでいる誇りを外国人というくくりではなく、世界中の人達に広める時なのです。

 

フィリピン国籍の妻は日本で暮らして、10年以上たちますが、選挙権はありません。

日本国籍を取ればいい」そうかもしれませんが、家族が暮らす生まれた国に対する想いは、なかなか私が考える以上に思い入れがあり、死ぬ時は祖国でと考えているようです。

ただ選挙がある時などは、もしできるなら参加したいとは言っていましたが……。

外国人による、政治介入という観点からの選挙権を与えないという考え方は理解しているつもりですが、だからこそ、日本人が、社会の中で埋もれがちな、外国籍の人達の事を考えなくてはいけないと思うのです。

 

そして在日外国人に対する、差別や偏見も未だに後を絶たない状況です。

彼らの母国の政治家や体制が即、在日の人達の考えだと短絡的に結び付けてしまう愚かさ。

問題は、外国人本人の問題では無いのに、嫌がらせやヘイトなどをする心の醜さと狭さ。

SNSでの攻撃や器物破損、嫌がらせなど、良識ある人間がする事ではありません。

さらに、見ぬふりをしたり、無関心でいたりと、これも間接的な差別や偏見と同一視されてもおかしくない事なのです。

 


アインシュタインの言葉 エッセンシャル版

アインシュタインもこう残しています。

「The world is a dangerous place, not because of those who do evil, but because of those who look on and do nothing.」

『この世は危険なところだ。悪いことをする人がいるためではなく、それを見ながら、何もしない人がいるためだ』

 

SNSの心無い投稿や器物を壊され、それでも日本が好きだと言っている人達の涙。

昼間から、ショッピングモールで遊んでいるクルドの子供達の目に、この国はどう映っているのでしょう?

 

どうか子供達に、このような事実がある事を教えてあげて下さい。

もし、外国の方と話す機会があれば話してみて下さい。

身近な人と少しでもいいですから、このような現実があるという事を話す機会を作って下さい。

それは、未来を担う子供達の選択ではなく、今生きている、私達大人の選択にかかっているのです。

外国の方が、日本を選んでよかったと思ってくれる国でありたいものです。

そして、その想いがどんどん広がっていく事を願っています。

そんな想いが沢山集まれば、共有出来れば、

日本が世界を平和にできるという夢も叶える事が出来るはずです。

そして残された時間があまり無い事も。

 

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