心の道標

様々な自分の疑問に、自分で答えを見つける旅

大人も以前は子供だった

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私が過ごした昭和の時代、離婚する事はダメとされる時代でした。

世間体を気にし、差別用語も日常茶飯事でした。

誰もが死ぬほど働き、社員同士は家族以上の存在でもありました。

女性は家にいるものだとされ、「誰のお陰でメシが食えているんだ」と聞かされました。

先生と呼ばれる人達には逆らえません。

どんなに辛くても、学校に行かされるのです。

母は「お金が無いのは、頭が無いのと同じ」という言葉を口癖のように話していました。

当時の母は、キャリアウーマン的思考の持ち主で、自分で自由になるお金が欲しかったんだろうと思います。そのせいか解りませんが家事は苦手のようでした。

マイホームを持つ事が当時の両親の夢。

同時にその世代の夢でもありました。

記憶にある幼い頃の借家は何処も狭く不潔で、自分たちの家を持ちたいと思っても不思議ではありません。

家という二人の夢が叶うと同時に、夫婦仲は悪くなっていきました。

どんな事で、言い争っていたかは覚えていません。

なぜなら、両手で耳を押さえていたからです。

小さな声でしゃべってる

大きなオトナのヒソヒソは

大人の僕には わかるけど

 

大きな声で泣いている

ちいさな子供の悲しみは

大人の僕には わからない

 

小さな口開け微笑んだ

大きなオトナのその理由は

大人の僕には わかるけど

 

大きな口開け笑ってる

ちいさな子供の楽しさは

大人の僕には わからない

 

大人の僕らは ちいさなオトナ

ちいさなオトナの ちいさな心

大人の僕には わかってる

 

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私は、一つ下の弟と年の離れた妹がいる三兄弟の長男として生まれました。

性格は気弱で、独りになるのが好きでした。

ビー玉をずっと眺めていたり絵を書いたり。

いじめっ子の標的にされることも多かった記憶があります。

生活は質素でしたが、貧乏と感じた事は私自身余りありませんでした。

父は名のある会社に勤めていましたが、大学を出ていなかった為、係長止まり。

母はそんな父を見ていたのか「大学には絶対に生きなさい。でないとあんな風になりますよ」とゴミ収集されている方や、汲み取りに来られている方々を指さしていました。

(結局、私がそのような職業につく事となり、その大変さとありがたみを身をもって知る事になりましたが)

 

やっと普及しだした白黒テレビは、父のチャンネル独占権行使の為、プロレスやキックボクシング、野球とスポーツに縁が無い私は楽しめず、父が留守の時今度は母が、「民放を見るとバカになる」と言われNHKしか見る事が出来ませんでした。

アトムやウルトラQウルトラマン等、ワクワクする番組はゴールデンタイム、すなわち午後7時台に放送していた為とても悔しかった事を今でも覚えています。

なぜならテレビは全国民が見ている時代で、友達との話題に入っていけなかったからです。

夏休み等長期の休みには、おばあちゃんの家にずーと寝泊まりし、見たかった番組が見れる喜びに浸っていました。

優しい祖父や祖母と叔父との生活が無ければ、きっと心が折れていたと思います。

 

ただ、そんな両親に共通した今でも生きている言葉が「高くても良いものを買いなさい。長く大切に使えるから」でした。

安い他国製の品物がどんどん国産と入れ替わり消費を促していますが、それと同時に買った物に愛着や大切に扱う事が減り、使い捨ての様になってしまった事は今でも残念に思っています。

 

そして思春期を迎えるのですが、どうしようもない虚しさや怒りのようなものが湧いていました。

両親の不仲の理由が、解るようになったかもしれません。

好きで結婚し、いがみ合う二人に嫌悪感さえ抱いていました。

「何で離婚しないんだ」と。

結局、18歳の頃家を出て独り暮らしを始め、以降は一緒に一度も暮らすことは有りませんでした。

 

私の大きなキッカケとなった事は音楽との出会いでした。

昭和歌謡曲や演歌をテレビで見聞きして育っていた私の味方になったのが、FMラジオの存在です。

フォークやニューミュージックが出だし、自分でも楽器をやりたいと思ったのです。


イエスタデイ・ワンス・モア~カーペンターズ・ベスト(1991ミックス)

そんな時、ラジオから流れた曲が「カーペンターズ ( Carpenters)」の「イエスタデイ・ワンス・モア(Yesterday Once More)」でした。

カレンが歌うメロディーや歌詞に、衝撃が走ったのです。

聞いた事も無い英語の曲。

こんな素晴らしい曲があったんだと、さっそくレコードを買い、擦り切れるまで毎日何度も聞いていました。

音楽との出会いはそこから友達とつながり、思春期のモヤモヤ感から抜け出すキッカケとなっていったのです。

 

子供の頃、植え付けられた記憶や言葉は、大人になって真に受けるか、反面教師に出来るかで大きくその後の人生に影響を与えます。

どんな辛い境遇の中で育ったとしても、皆がみんな悪くなるわけではありません。

優しい人達の出会いやキッカケが、過去の事を教訓として活かさせてくれます。

いつそんな人達と出会えるのか?もしくは自身で判断できるようになるかは誰にも解りません。

ただ言える事は、自分で見つけ、自分に問いかけをしない限り変わる事や学ぶ事は出来ないという事です。

 

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人との出会いは、とても大切な事です。

後ろ向きでいると、どうしても同じような考えの人が集まってきます。

私の弟がそうでした。

彼は、高校も途中で辞め、悪い仲間とつるむようになり、窃盗事件や人身事故を起こしたりと。

それが、彼の現実からの逃避方法でした。

彼の立ち直りは「自分で会社を作る」すなわち、「人の下で働きたくない」という思いでした。

誰でも、悪くなる方向へ行く可能性があります。

そこには自分というものは無く依存している状態なので、近道であり、安易だからです。

 

今、問題になっているのは、他人に迷惑をかける人だけではなく自分に向けてしまい、身体を売る事や薬物(市販薬も含め)依存、自身を傷つける行為に走る人が多くいる事です。

ニュースでは、その行為に至った過程を家庭環境や友人関係として報道していますが、前述のとおりの境遇だけで、それらを説明するには無理があります。

この社会が安易に逃げ道を作り、自分たちの欲求やお金の為の標的にする為や、

核家族化やSNSなどのツール、大人達の、時代に合わない規則や縛り。

大人が考えている以上に、知識や情報を集める事が出来る環境。

自然とのふれあいの時間の希薄や他人との関係。

例えば近所の目が無くなった事等、複合的に絡み合っています。

 

若い人達は大人の行動をよく見ています

責任を取らない政治家や忖度し誤魔化す官僚。

安易にお金を得る為に平気で幼稚な犯罪を犯す人等の存在が、彼らの中に明らかに影響を及ぼしています。

タガが外れた状態と言ってもいいでしょう。

 

安易な大人の行動で、逃げ道への壁が低くなり「今の事しか考えられない」精神状態のまま突っ込んでいくのが現状でしょう。

彼らの中に、現実逃避やあきらめの感情が生まれても不思議ではないのです。

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子供や若者達は、未来を担う宝物です。

安易にこの問題を考え、放置状態にしては未来が無くなります。

多くの優しい大人達の力だけではもう限界にきている今の状況をもっとマスメディアで取り上げ、政治家達が本気で向かわないと、誰もが不幸な社会になってしまいます。

 

大人が不幸と感じ、幸せを感じていないと何も希望を彼らは見いだせないのです。

余りにも大人の世界の視野が狭くなっています。

一人一人が子供達の親として考え、行動するかがカギになるでしょう。

 

建物や機械には「余裕」や「遊び」が必要です。

それは、もしもの時を考え、それでも壊れないようにする工夫です。

大人にその様な「余裕」や「遊び」が無くなっています。

その事に気付かなかいままいつも張りつめた狭い世界で、息苦しささえ感じる人達の存在が本来の生き方や、社会を取り戻すことは出来るでしょうか?

子供達 大人の涙を見たくない

笑うか閉じるかその二つだけ

どちらも精一杯の表現で

きっとたくさん心で泣いて

涙は枯れて流れない

 

泣かせてあげよう

その優しさに

答える義務がそこにある

裏切られない責任がある

大人達 子供の涙を見たくない

出来ない理由を探し出し

諦め運命なんだと納得させて

けれども大丈夫と言いたくて

嘘をこらえて閉じ込める

 

抱きしめてやって

子供達の可能性

答える義務を見い出して

叶えてあげる責任がある

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大人もかつては子供でした

今、考えると大したことでは無い事でも、子供時代は悩み、時には死にたいと考えた事がありました。

大人が大きく見え、時に怖い存在でした。

本気の大人が、尊敬や憧れの大人達が沢山いました。

ふと見せる、弱さやバカ加減がカッコよかった大人達。

早く大人になりたいと思ったはずです。

 

何年も大人でいると、忘れてしまいます。

何年も大人でいられるのは、子供たちを大人にする為です。

反面教師のがっかりさせる大人を見せてはいけないのです。

 


新装版 虹の翼 (文春文庫)

吉村昭さんの『虹の翼』という本があります。

二宮忠八というライト兄弟よりも先に「飛行器」を考案していた伝記小説

飛行機だけの話ではなく、吉村さんの綿密な取材を元に、、大きく動く歴史の中、夢を追う二宮の波乱万丈な人生を描いた、素晴らしい作品です。

夢を見る子供から、現実の厳しさにもめげずに生きた大人の生き様で、吉村作品ならではの、読み応えがある作品です。

 


ヒーロー

マライア・キャリーMariah Carey)』が歌う「ヒーロー」 (Hero)という曲。

誰もが自分の中に、ヒーローがいるという歌詞です。

自分を信じる事の大切さを歌いあげている曲として、私は捉えています。

マライアの歌唱力が、バラードを盛り上げる素敵な曲です。

 


ベスト・オブ・ギルバート・オサリバン

ギルバート・オサリバン(Gilbert O'Sullivan)』の曲

1972年にリリースの「アローン・アゲイン」(Alone Again - Naturally)は、曲だけでは、少し楽しげに聞こえますが、歌詞は、「なぜこんな風に辛い事が起きるのに…で、結局独りぼっちに」という暗い内容ですが、切なさと生き方が見え隠れする内容で、私のお気に入りの曲でもあります。

ギルバートは、楽譜が読めず、作曲やピアノ演奏は独学でマスターした努力の人で、数々のヒットを作り出したアーティストです。

 

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