心の道標

様々な自分の疑問に、自分で答えを見つける旅

情報発信の危うさ(1)

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都合の良い自身の好みに合わせ、人は情報を貪欲(どんよく)に喰らい、咀嚼(そしゃく)無しに飲み込む。

それは、まるで大食い競争の様な勢いで、味覚を犠牲にし、満腹感を得ている。

そこから何を得ようとしているのか?

一体何が目的なのか?

思考の停止に気付かない。

都合の良い情報ばかりに食らいついているから。

たちの悪い事に、他者を巻き込む事が、大好きなのだ。

自ずと否定的な情報には目を背け、肯定ばかり集めては、腹を満たす。

もうお手上げだ。

 

情報の本質は、そこには無く、自分の道連れを作る事が目的となり、満足感になる。

満足感は、一時しのぎであり、消化しきれないほど食べても得られない。

なぜなら脳が刺激を求めるからだ。

はけ口が欲しいのだ。

それは、自身と向き合おうとしない弱さ。

言い換えれば他人を通してでないと、自分の存在を確かめる事が出来ない臆病さ。

さらけ出す事への恐怖から逃げ回っているだけかもしれない。

 

顔が見えない相手との情報のやり取り。

匿名性は、担保されなければならないが、責任放棄の材料であっては、ならない。

誰でも、間違いは起きる。

どんなに慎重でいたとしてもだ。

間違いは、それ自体に責任が取れない。

問題なのは、間違えを認めたがらない勇気の無さだ。

間違えた情報を正す責任を、人任せにするのは無責任だ。

 

真実は常に誰かのフィルターを通し、例え意図的では無くとも、起きた瞬間、ただの事実として、形を変えてしまう。

付加価値を付けたくなる人が大勢いる。

演出までしてしまう。

そして

情報は、思い込みへと流れ込み、無意識のなかで真実として、勝手な筋書きを描く。

真実は、事実となり、いつしか物語に変わる。

 

ほんの一部ですが、こんな例があります。

捕鯨。日本において縄文時代に、土器などの出土で鯨を食していたと思われていて、


鯨の絵巻(新潮文庫)

ノンフィクション作家の吉村昭さんの本「鯨の絵巻」にも出てきますが、江戸時代には、飢饉を救い、村を潤す食べ物や道具として、全身を無駄にする事なく利用していました。

一方、鯨の肉を食べない欧米でも、日本の江戸時代後期から明治初期にかけて、照明用の油をとるためだけに鯨を乱獲し、数を激減させました。

2015年公開映画『白鯨との闘い(In the Heart of the Sea)』でも、当時の捕鯨の実態が解る、鯨油を取る為だけの動物だった事を描いています。一方『ザ・コーヴ(The Cove)』は、2009年に公開されたアメリカのドキュメンタリー映画では、イルカ(鯨)漁を批判した映画が作られ、それに対して、今度は、

2015年日本人八木景子監督の『ビハインド・ザ・コーヴ捕鯨問題の謎に迫る〜( Behind "THE COVE" 〜The Quiet Japanese Speak Out!〜)』が公開され、食文化にも深く踏み込み、インタビューも交え、問題を丹念に描かれた映画もあります。

水族館のイルカショーやTVでも賢く、可愛いらしく映る生き物は、見方を変えると、食べ物にもなり、道具にもなるという側面があり、一方通行の情報の怖さと、妥協も含め、自らで良し悪しを選ぶ事のいかに難しいかの例です。

 

 


関東大震災 (文春文庫)

 これもノンフィクション作家の吉村昭さんの本1973年刊行の『関東大震災』で記されている、自警団の暴徒集団化や「朝鮮人が放火した」などの流言のすべてが事実無根で、一つとして朝鮮人の来襲等を裏づけるものはなかったという記述。

 

番組演出によって本人の意志とは関係のない人格が勝手に造られその結果、誹謗中傷により、命が奪われる痛ましい悲しい結末となってしまった、まだ記憶に新しい事件。

 

文化放送では、俳優の伊東四朗さんが、ドラマ「おしん」でヒロインの父親役。ドラマの中でヒロインをイジメる事があった為、視聴者から自宅前で抗議された話しをされていましたが、もしこの頃SNS が盛んであればと思うと、ゾッとします。

 

ある商品の説明をタレントが話しているTVのCM。

効果や効能を語っているのですが、よくよく聞いてみると、タレント本人が、商品をもし使ってみたら、こうなるんではないか?という感想に過ぎない事を話しているだけで、実際にタレント本人は、使ってはいないのです。ちゃんと聞いていないと、商品=タレントのイメージとして、頭に植え付けられてしまいます。

 

他にも、効能や効果は、映像として流し、マイナスになるような要因は、小さく、表示時間も短い文字表示で流して、とても読めないアンフェアな手法のCMも沢山有ります。

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 情報を、いつでも誰でも自由に発信し、受け取るが出来る事自体は、素晴らしい事です。

例え総理大臣の悪口を言っても、捕まる事は無いこの自由は、守り維持しなくてはなりません。

 

しかし情報は、常に正しいとは限らず、意図して見せないように、カモフラージュしている場合もあり、しかも人間は間違いや思い込み、錯覚をおかすという前提で考えないといけません。

そのまま流し、受け取るだけではなく、一呼吸を入れ、出来る限り信憑性を確かめてから次の行動に移るように務めたいものです。

だから、見極める力が必要になり、鵜呑みにしない賢さが必要です。

「もしかしたら?」という想像力が鍵となります。

 

想像力は篩(ふるい)となり、粗い網目から残ったモノを徐々に細かい網目へと、ふるい分けられる。

網目は、洞察力であり、網目を揺らすその腕は、追及の力となる。

 

そして情報は、恐ろしい危険性を含んでいます。

 

 


スノーデン [DVD]

 オリバー・ストーン(Oliver Stone)監督の2016年のアメリカ映画『スノーデン(Snowden)』。

世界的にもニュースになった、コンピューター技師エドワード・スノーデンが、アメリカ国家安全保障局の機密情報をマスコミに暴露した事件の詳細が描かれていて、普通の人々が、知らずに垂れ流している、個人情報までも、権力によって抜き取られ、利用される恐ろしさを描いた作品です。

映画の中で、主人公のスノーデンが、スマートフォンやノートパソコンのカメラに絆創膏を張っているのが、印象的でした。

 

日本でも、写真の瞳に映った景色から場所を特定するという事件があり、むやみに投稿する事の危険性が、ニュースになりました。

映り込むマンホールや影の長さによる時間特定、写真に埋め込まれた位置データ、電柱、看板、洗濯物と特定される危険性は山ほどあります。

悪意があれば、映像は宝の山なのです。

現に有名人が身に着けているモノを、写真から特定している人が多くいる手法と変わらないのです。

 

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よく車の後ろに「子供が乗っています」のステッカーを張っている車を見ますが、もし国が違えば、誘拐や強盗犯に、情報を見せているのと同じです。全くの無防備状態です。

 

情報を扱うのは人間で、人間はミスを犯すという前提で。

今のコロナ禍、デマや不正確、根拠が無い情報が飛び交っています。

切り取られ、加工された発信も後を絶ちません。

安易に発信し、仲介役にならないよう気をつけたいものです。

情報発信の危うさ(COVID-19コロナワクチン) - 心の道標 (kenpa.blue)

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