心の道標

様々な自分の疑問に、自分で答えを見つける旅

心の中は、空っぽがいい(1)

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「努力すれば報われる」「悪い事があっても必ず良い事がある」

「嫌われる人間になれ」「人とうまく付き合う方法」

「ポジティブに生きる」「必要とされる人間に成れ」

「過去にこだわるな」「人と比べるな」

「人のせいにするな」

こんな言葉が、山ほど溢れています。

ハッキリ言って、こんな言葉は、ほとんど役にも立たない言葉であり、出来る訳が無いのです。

 

どんなに努力しても、自分の思い通りの結果のならない事や、頑張っても、頑張っても思いが叶わなかったり、自己啓発本を読んでやってみたりしても、上手くいかなかったりと、それが現実です。

「運命を切り開く」とか、「行いで変わる」なら、もっと世の中良くなっていいはずです。

上手くいった人達と、全く同じ道や環境、考え方にはなれないのが当たり前で、いくらやっても駄目なものは駄目なのです。

どんなに心地よい言葉を聞いて実行したとしても、その通りうまくいく事なんて、ほとんどありません。

うまくいく事すら、その定義も人それぞれであり、いつまでも続く保証も無いのです。

 

世の中には、理想や夢を追いかけ、挫折したり、諦めたりする人の方が、はるかに多いのです。

人との付き合いで悩まない人などいません。

ポジティブ思考を持続するなんて出来ません。

誰でも自分が可愛いし、守りたいのです。

過去の事を忘れることも出来ないのです。

なぜ、自分を追い込んでしまうのでしょうか?

 

外からのアプローチをやっているからです。

自分という意志も怪しいもので、遡(さかのぼ)っていくと実は刷り込みだったり、誰かの教えや言葉、目にした広告や、SNSだったりで、自分で決めた事とハッキリ断言できるものは、ほとんどないからです。

努力して報われるなら、苦労の連続をしてきた人が報われているなら、幸せな人で町中溢れているでしょう。

努力していても、

「まだ努力が足りない」「もっと上を目指せ」「君なら出来る」

雑音ばかりが耳に入り、個々のペースの配分やスピードを見失い、

その結果

「俺は駄目だ」「私には才能が無かった」という言葉が口から出たり、頭をよぎるのです。

悪い事が重なっても、必ず良い事が起きる保証など、何処にもありません。

「明日も、また日が昇る」「トンネルを抜けると光がある」「雨降って地固まる」

いつ死ぬか解らないのに、現実として夜中や、トンネルを抜ける前に事故で死んでしまう事もあるのです。

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他人と付き合いでも、なぜ人間は喋る事が出来、

聞く耳を持ち、顔色や仕草を読めるか、

考えれば解る事で、相手とのコミュニケーションする為で、

言い換えれば、

何もしなければ他人の事は解らないのが当たり前で、思い道りにはならないという事です。

勿論、相手も人間ですから、色々な環境や考え方を持っていますし、自分自身も同じで、上手くやろうと考える事に、はなから無理があるのです。

他人の上手く付き合う方法を聞いたり読んだりしても、うまくいくわけがありません。

親は、自分の子供に対し、幸せになって欲しいと願い、様々な事をさせたり教えたりします。

でも悪い道に入ってしまったり、グレたり、不安定な仕事を選んだりと、親の思い通りにはなりません。

自分の子供ですらそんな状態で、他人に対してはなおさらです。

 

何か、夢も希望もなく救いようのない話で、素直に受け入れがたいと思いますが、

努力したり、頑張る事を否定している訳では決してありません。

しかし、努力、忍耐、試練などが必ずしも報われるとは限らないという事を、

まず頭に入れて欲しいのです。

 

考えなければいけない事は、人それぞれ成長するスピードが違います。

能力も、みんな一律で生まれて来てはいません。

得手不得手もあり、集中できる時間も人それぞれです。

にも関わらず、学校では右にならえの教育で育てられるので、ストレスだらけです。

規律や協調性は、社会生活の中では必要ですが、みんな同じ色に染める事とは違うのです。

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言われた通りにやる事が、良いという基準は、まず「形」から入っているという事です。

それも、確かな裏打ちの無い「型」です。

「みんなそうやって来た」

「規則だから」

「中学生?高校生?男?女?○○らしさが必要」

「先生のいう事が正しい」

「まだ子供だから」

「もう大人なんだから」

「型」が多ければ、こんな楽なことは有りません。

生徒も先生も、考える必要が無いからです。

昔であれば、給食制度や教育の機会を与える意味で必要でしたが、時代がどんどん進むにつれ、

学校の在り方も変わっていかなければ、社会に取り残されたり、自分を見失ってしまいます。

まして世界グローバルの経済の中では、生きていけなくなってしまいます。

いつまでも同じ会社で働く事も、それに合わせての人生の長期計画も、もはや描きにくくなっています。

そんな中で、前述の様な右にならえの教育では、これからの社会の中で生きていく事が、大変になるのは目に見えているのです。

そして貯まる一方のストレスは、昔ながらの教育を受けたままの状態で、

社会の進むスピードに追い付かず、人間関係の方に頼る羽目になり、

ますます自分の中での人間関係の比率が高まり、

負の連鎖のようになり、悩んでしまうのです。

「他人と比べ、まだましかも」

「みんな同じ事で悩んでいる」

というように、道連れがいないと、不安で仕方がないのです。

道連れをいつも探し、共感を得、安心してやっとその日を乗り切っているのです。

やがて自分の理想とする生活像が描けなくなり、落ち込んでしまうのです。

 

TVやSNSでは、欲しい物で溢れ、夢のような生活が、頭の中にインプットされていきます。

いつの間にか、自分のやりたい事や、幸せ感がずれていき、

何が正しくて、何を信用すればいいのかの選択も、

他人やモノ、TVやSNSにその答えを委ね、いつまでたっても満足する事ができない負の連鎖に落ち込んでいるのです。

 

余裕が無いのです。

「あの人に出来て、なぜ私には出来ない」

「こんなに頑張っているのに評価してくれない」

「ちゃんと私の意見を聞いてくれない」……

特別な悩み事では無く、ほとんどの人が、同じように思っている事です。

世渡り上手な人がいるなんて、幻想です。

他人からそう見えているだけで、本人は色々問題を抱えているモノです。

もう一度書きますが、それは外からの作用によるものばかりで、中が抜け落ちているのです。

自分が何者であるか?を常に誰かに聞き、

「私は幸せになるべき」

「今の生き方は本当では無い」

と自分で自分に暗示をかけているのです。

そんな中で、自分磨きや自分を取り戻そうとノウハウばかり頭に入れても、上辺だけのすげ替えに終わるだけで、本質は何も変わってはいません。

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こんな話を聞いた事があると思いますが、水の入ったコップを見て、

「もう半分しかない」と思うか

「まだ半分もある」どちらがポジティブな考えでしょうかと。

どちらでもいいのです。

なぜなら、コップに半分水が入っているだけです。

コップにも水にも、何の落ち度はありません。

「もう半分しかない」は、

「備えあれば憂いなし」寄りでしょうし、

「まだ半分もある」は

明日は明日の風が吹く」と、捉える事も出来ます。

考えてみると、どちらも正しいのです。

思い込みが、その時の気分が勝手に解釈しているにすぎません。

ところが、心は時に

「まだ半分あるからだいじょうぶだよね?」

「半分しかないけどいいのかなぁ?」

もっと言えば

「その水は安心なの?」

「コップが割れたらどうするの?」

と心配になり、水の分析法や壊れない方法を一生懸命探しているのと同じ状態なのです。

そして「何の話だっけ?」となるわけです。

 

あなたが一瞬たりともあなたで無かった時など有りません。

どんなに頑張っても、他の誰かになることなど出来ません。

報われない事ばかりなのです。

夢で終わる事の方が、はるかに多いのです。

幸せと思える時間なんて、ほんの少ししかありません。

思い通りにならないことだらけなのです。

 

人間は弱い動物なのです。

社会という集団の中でないと、生きていけないからです。

そこには、不平等や不公平や不運が、ちりばめられているのが解っているのに、

集団の中に入っていたい、すなわち帰属感や安心感を失いたくないのです。

全てが平等な世界なんて何処にも存在しません。

自然界を見れば解る事です。

自然界では嘆いても、足掻(あが)いても、努力(練習や学習)してもどうにもならないことだらけです。

捕食される危険や、飢餓の危機が常にあり、明日よりも「今」なのです。

 

ならば、中、内に目を向ける、自分に問いただすしか方法は無いのです。

それが出来るからこそ、人間の素晴らしい所なのです。

 

続く


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アインシュタイン

「Be a loner. That gives you time to wonder, to search for the truth. Have holy curiosity. Make your life worth living.」

『独りを愛しなさい。独りは、真実を追い求める時間を与えてくれる。真摯な探究心を持ちなさい。そして人生を価値あるものにしなさい。』

 

「独り」は「孤独」という意味ではありません。

何かの、誰かの自分では無く、依存しない一人の人間であるという意味です。

 

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