心の道標

様々な自分の疑問に、自分で答えを見つける旅

日本の選択⦅選挙に行くべし⦆

参議院選挙が始まる。

選挙が行われる度公約が出されるが、まるで小学生の将来なりたい夢の寄せ書きの様に映るには私だけであろうか?

物価高も含めた家計の圧迫、経済活性化、安全保障政策、憲法改正が主な争点という事だ。

関心が高いのは医療福祉関連と経済雇用対策となっているようだが、ウクライナの事もあり、憲法改正を含めた安全保障問題も、関心が高いと各メディアは報じている。

 

総務省によると、令和元年7月の参議院議員通常選挙では、10歳代が32.28%、20歳代が30.96%、30歳代が38.78%(全年代を通じた投票率は48.80%)

やはり若年層の割合が低い結果となっている。

 

各党も有権者を取り込む目算がある為か、生活に直結した問題や戦争による食料やエネルギーの国家危機を訴えているようだが、視点を変えて見ていかなければ、後々大変な事になる。

心地よい言葉に酔わされてはいけないという事だ。

主権を持っているのは私達国民であり、政治家はその僕(しもべ)である事を改めて考えて欲しい。

国民の生活を守り、社会保障を充実させる。

すなわち安全な国でライフラインを維持し、国民がいかなる状況になっても、人間の尊厳を持ち続けられる社会を維持する為に働く人達の事である。

 

考えてもらいたいのは、限られた予算の中で、以上のような事にどれだけのお金を使うのか?

近い将来に対するビジョン「見る」「 見通す 」力を持っているのか?

世界の中でのこの国の立ち位置を明確にする事がちゃんと出来るのか?

という視点で政党を選んで欲しい。

 

例えば年金問題でも社会保険庁、今の厚労省が過去にグリーンピアと言われていた、年金福祉事業団が施設を整備して建設された大きな規模の年金保養施設を作り、採算が合わずに赤字になり、売却や取り壊しになった事や、2004年の政治家の年金未納問題、2007年の社会保険庁職員や地方自治体職員による年金横領問題等、もうほとんどの人が忘れているし、今の若い世代はその事すら知らない。

またGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による資産運用をご存じの方もいると思うが、この仕組みは、現在年金を受け取っている人と直接関係している事では無い。

過去に現役世代が、年金生活者よりも多くいた時代にその余剰分としてプールされたお金を運用している。

グリーンピアも同じ理屈で無駄遣いされ、「運用実績が悪くなっても、長期で見れば大丈夫。年金は安心してよい」と、ぬけぬけ発言しているに過ぎない。

すなわち年金を払っている現役世代のお金を年金生活者に回している事に変わりない。

勿論穴埋めとしての役割もしてはいるが、運用実績が悪くなれば仕方がないで終わり、誰も責任をとらないのだ。

だから少子化で、年金受給を遅らせたり、75歳まで納めても良いとするしかないのだ。

問題のすり替えを政治家たちは言葉巧みにやり、問題点を洗い出さずに、過去の過ちを認めない人が非常に多い。

過去の無駄遣いが無ければ、どれほど現役世代の負担が減るのか考えてみるいい機会だ。

 

国民主権という事をもう一度考える必要がある。

それは、自分にとってどんな国に住みたいのかという事でもある。

このブログでいつも書いているが、過去から学ぶ事を重視する事無く、目先の事ばかりに、やっつけ仕事の様な問題先送りの政策で判断してはいけないという事だ。

 

例えば、日本は放射能に関し辛く痛ましい経験をしてきた国である。

唯一の被爆国であり、原発汚染に今なお苦しんでいる国に住んでいる事を忘れてはならない。

世界に対して核兵器を廃絶する先頭に立って、平和の大切さを訴えなければいけない使命がある。

私自身、広島や長崎にも行き資料館を観てきたが、前もって知っていた知識での同じ過ちを犯させないという軽い気持ちが、まるで恥ずかしくなるほどの衝撃だった。

こんな愚かな事は、人間のする事では無いのだ。

 

また、戦争も経験し、その非人道的な歴史を学んできたはずである。

世界は、勿論日々情勢が変わっていくが、悲劇を繰り返さない事を芯に議論を尽くすべきで、まるで煽(あお)るような切羽詰まった様な言動を丸呑みする事が本当に正しいのか?

相手に合わせて、もしくは同盟国と称して言われるままの政策を取り続ける事が果たして良い事なのか?

自分ならどうすべきかという視点で考えなければならない。

防衛費もまず増額ありきの政策で、何をしようとしているのか具体策すら見い出せない。

隣国による海侵犯や脅し、ミサイル発射による漁業等への打撃も、当事者の方々には深刻な問題であろう。

ただそれと、防衛費の増額を一緒に考える事は危険で短絡しすぎる。

例えば、あなたがナイフを買うとする。

料理の為かキャンプの為か用途に合わせて予算を組み、店に行くだろう。

アーミーナイフもついでに買っておこうとは思わないはずだ。

まして、泥棒用に金属バットや長包丁までと考えが及ぶだろうか?

しかし今の政府の考えはそうでは無く、何を買うのかは決めていないが、とりあえず泥棒に入られると困るので、備えのお金だけは用意しておこうという事だ。

アメリカという銃を持った警察がいるにはいるが、俺たちの作った武器で予め武装しろと言い値で、あれこれと指南してくる状態だ。

そして最も危険な発想は、家の鍵を強化するのではなく、何に使うか解らない人殺し道具をそろえ、監視カメラ映像に映った泥棒の家に行き、焼き払う事もやってはいいのではないかという考え方をし始めているのだ。

そしてその裏では、何年も前から泥棒に水源となるような土地や山林、ビルを買われている事すら気にもしていないのだ。

 

もう一つ例を挙げてみよう。

農林水産省によると、食品ロス量の推計を行い、公表しているが、令和元年度の食品ロス量は570万トン)、このうち事業系食品ロス量は309万トン)、家庭系食品ロス量は261万トンに及んでいる。

すなわち日本の最新(2021年)の人口は、1億2550万2000人という事で、赤ちゃんも含め一人当たり年間約45キロも無駄にしている事になるのだ。

先の東京五輪でも食材廃棄が問題になったが、もう皆忘れているのだ。

私達が大切にしてきた「もったいない」という精神や「いただきます」「ご馳走様」からは、かけ離れた生活をしている事にもっと目を向けるべき事で、輸入に頼ってきた今までの政策のツケを払っているのだ。

 

経済についても考えてもらいたい。

デジタル庁が発足したが、今さらという感はぬぐえない。

未だにフロッピーデスクでデータのやり取りをしている自治体や町工場ではセキュリティー更新が終わったウインドウズ95を使っている所も沢山ある。

大手自動車メーカーの部品供給会社がサイバー攻撃で操業を一時ストップした事は記憶に新しいが、大企業にばかり目をやっている政府の認識の甘さと言ってもよい。

今に始まった事では無いからだ。

一応セキュリティー対策として国も安い価格で機器等の設置を促してはいるが、まだ数パーセントに満たない。

危機感がまるで感じられないのが私の感想だ。

日本は、全企業数に占める中小企業の割合99%以上で、全労働人口に占める中小企業労働者の割合は70%以上で、大企業ばかりに目を向けた国民に対するメッセージが多すぎるのだ。

テレワークやリモート会議も含め、賃金や雇用形態など大手企業ばかりが話題になってはいないだろうか?

加えて、育児休業など子育てに関する事も、中小企業まで浸透していないのが現状だ。

中小企業中心に新しい雇用形態や賃金の適正化を主導してこなかった政府の責任は重い。

頭脳流出と言われるような事まで起き、低賃金で若い人達の働く意欲さえ湧かない中で、いくら少子化対策をしたところで意味が無い。

今日(こんにち)に至るまで、政府は何をやって来たのであろうか?

 

ただそんな中でも日本の産業は、世界に誇れるものが沢山ある。

戦後を支えていたこれらの中小企業は、今でも素晴らしい技術力を持っている。

匠と言われるような人もどんどん生み出してきた。

水産物や畜産も、ブランド化されるほどの素晴らしいモノを生み出してきている。

それは関わる人達の時間と絶え間ない努力の結晶である。

その他、物理や宇宙探査、鉄道、工作機器を作るマザーマシンからネジまで、日本製は信頼を得ている。

これほどの力があるにも関わらず、低賃金で働き、お上の言う通り働く日本人。

もっと声を出してもいいはずだ。

 

税金で報酬を受け取っている政治家の責任は重いはずだ。

故に問題が起きれば、責任を取るのがスジであるが、この国は誰も責任を取らない。

自殺者まで出した改ざん問題やお花見もお咎め無しという有り様だ。

何故、このような事が罷(まか)り通るのか理解に苦しむ。

 

国民皆保険で安心な国。

何時でも誰でも医療が受けられるこの国で、医療を受けられず自宅待機で日々亡くなっていく人達を横目に、女性蔑視発言やイジメ問題で関係者が辞めたいわくつきの福島復興五輪と称し、一兆四千億もかけてオリンピックをやる国に住んでいるのだ。

それも今後も続く膨大な維持費は含まれていないのに、多額のお金を使ってレガシーという訳の解らない言葉で濁している。

そのお金で、どれほどの貧困者や中小企業を救えたであろうか?考えて、検証する必要はないのか?

五輪開催で福島の方の想いは伝わったのか?

 

更に問題なのは、立候補者の女性割合や若い人の少なさだ。

若さやその「性」でしか解らない事、見る視点が違うはずである。

他国では、若い女性が首相になり国を引っ張っているのを見るとうらやましい。

男ばかりの、しかも二世三世といった人達ばかりでは、あまりにも庶民感覚からズレた発想しか出てこない。

また立候補するにも世界でも高いとされる供託金や女性や若年といった偏見やハラスメントの壁があり、新しい血が入りにくい制度が未だに整備されていない。

現職や縁故に頼る議員の為と疑われても仕方が無いのだ。

 

前述の主権は国民であるという事を、自分がこの国をどんな国にしたいのかという視点を絶対に忘れてはいけない。

戦後、どこの国の人達も自衛隊は殺してはいない。

そして国内、海外問わず人命の為に労力を惜しまず頑張ってくれている。

他国の災害に対しても、また技術やインフラも人命を第一に協力してきたからこそ、G7の中で唯一のアジア圏の国という立場でいられる。

時の首相や政府の力ではなく、民間も含めた信頼を世界から得てきたからの地位なのだ。

たかが一票だがされど大きな一票に変わりない。

「頼まれたから」「選ぶ人がいないから」「面倒くさい」「関心が無い」の言い訳は、折角手に入れた民主主義の放棄と同じである。

過去の事を都合よく忘れる様な国民ばかりではないと、態度を示すのも選挙の大きな役割である。

まだまだ日本が国内外問わずやれることは沢山あるし、その知恵を持った人達も頑張っている。

というより日本がやらなければいけない使命が、運命的にあるような気がしてならない。

〇〇組合や〇〇組織、○○宗派等の制約を自ら放棄し、自分で判断し選んで欲しい。

個々の利益に結びつくような安易な考えで、政治家を選んではいけないのだ。

何故ならこの先、日本の行方を決める夢を語れる政治家が、色々な知恵を出せる性差や年齢で判断しない政治家が必要なのだ。

そしてちゃんと責任を取れる大人の政治家を選びたいものだ。

25歳以上の税金を納めている男性という制約の中、明治時代から始まった選挙制度

昭和20年になってやっと満20歳以上の女性にも選挙権が与えられた。

そして現在18歳以上の日本国籍の方が誰でも行使できるようになった選挙権。

悔しい思いをしてきた人達に想いを馳せながら、

是非投票所に行って欲しい!

 

 

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