心の道標

様々な自分の疑問に、自分で答えを見つける旅

未来への扉⦅憲法と戦争⦆

扉の向こうに何があるか?

扉のノブを回すのは、あなたです。

 

最近、どうも世界がざわつき、イライラしているように思う。

平凡な普通な人が、不健全の社会の中にいると、思っても見ない事をしてしまう。

それは、保身からくるのか、属性を確かめる為か解らないが、それほど人間は、弱いという事の表れとも言える。

 

特にこの、コロナ禍で色々な問題が見えてきた。

マスコミのTV報道を見ても、マスクをしていない人や、缶のお酒を飲む人を隠し撮りするように報道し、まるで裏警察のように振舞っていた。

マナー違反者を撮り、問題提起しているかのような昨今の報道にも疑問が残る。

そう、ドアの前に立たされ、扉の向こうにある景色の説明ばかりで、鍵をかけたまま立ち去るような感じなのだ。

その報道で、何を訴えているのか、その意図が何を意味するのか理解に苦しむばかりである。

TVがこんな状態だから、SNSでは、正義と称して他人の行動や言動を見張り、攻撃する人達の、いかに多いかが露見したように、何とも住みにくい世の中になってしまった。

 

人と人の関りが、大切な事を再認識させられた部分も沢山あったが、マスコミは表面だけをなぞって、報道し、助け、助けられなければ生きていけない人の存在に、あまり深く掘り下げない。

そして何より政治に対して、何も言ってこなかった責任は非常に大きい。

 

地球上でいつまでも続く戦争や紛争に終わりが見えないばかりか、新たな火種ばかりが目に付くようになってきた。

最近の世論調査では、日本の軍事費を増額させるべきと回答した人が「大幅に増やすべきだ」と「ある程度増やすべきだ」合わせて57%(産経新聞より)になったと報道している。

世界情勢を鑑(かんが)みての結果ではあるが、私には恐ろしい数字に写る。

なぜ同じ過ちをしようとするのか?

なぜ過去から学ばないのであろうか?

亡くなった人達は、後世に何を伝え、願ったのか?

民主主義の盲点は、自分の意志で限りなく情報を集め行動する人ばかりでは無い所だ。

感情に流されたり、一方的な情報を鵜呑みにして短絡的に答えを導き出すところの恐ろしさである。

ウクライナからの受け入れに対する、思いやり報道も決して悪い事でも無く、日本人として喜ばしい事ではあるが、移民政策一つとっても、その地位は曖昧のままで難民受け入れさえも何も変わらない。

ミャンマーウイグル問題、クルドの人達の存在は、まるで無かったかのような姿勢で、マスコミもほとんど報じない。

入管での死亡や人権に対する侵害行為も、その検証と責任を誰がどのようにしたかも、全く耳に入らない。

おまけに、これほどネットワークが発達し様々な情報が見れるのにも関わらず、自分達にとって心地よい、都合の良い情報ばかりを見てしまう。

当たり前だが、少数意見でも耳を傾ける事や十分な議論と色々な方向性の提示、それを選択する際の情報を届ける事が民主主義の基本である。

あった事を無かった事にしたり、一方的な情報を流したり、また少数派と言われるような人達の口封じを何度も繰り返し、誰も責任を取らない政治家たちと、その人達を選ぶ国民の責任は非常に大きい。

宗教がらみのお願い投票や、自身の利益の為に政治家を選ぶ事の愚かさは、やがていつか自身に跳ね返ってくる。

それは、自分達の未来である子供達と、この国に生れ亡くなっていった人達への裏切りに他ならない。

神社に詣でし、玉ぐしを捧げ、手を合わせる事が単なるパフォーマンスにならないよう切に願いたい。

(ウイキペディアより)

帰りを待つ身に

物言わぬ白黒が

帰りたいと手の中で

震え涙で曇るその幼さ

無理やり大人にさせられて

守り抜いた信念は

代わりに生きろと散っていく

帰れぬ想いは海に乗り

流れて着いた76年の風便り

今年も夏がまた訪れる

 

この機を逃すまいと、憲法改正や敵基地攻撃や司令部の攻撃まで現行法で可能という馬鹿げた意見を述べる政治家達に、責任を取る覚悟があっての発言だとは到底思えないし、自国での次期戦闘機開発の話も聞こえてくる。

他国、主にアメリカから膨大な軍備を購入し続け、新たな基地を作り、未だに地位協定の見直しすら出来ない政治家達が、どうやって責任を取れるのであろうか?

情報戦略にしても遅れをとり、基礎研究を疎かにし目先の利益ばかり求めた結果、技術者の海外転出に始まり、日本のお家芸であった技術力も低下しているのが現実だ。

私達は、重い扉を憲法という鍵で封印した国だ。

何故なら、例え他国から制定に干渉があったにしろ世界に誇れる憲法だからだ。

日本の立ち位置は何処かの国に偏る事では無い。

幸いにも日本は島国であり、陸続きの国境線が無い。

世界で一番歴史の長い国であり、様々な宗教にも寛容で、その長い歴史の中で「思いやり」と「謙虚さ」を育んできた国なのだ。

この国が世界に対してやるべき事は、武力では無く理想と希望を込めた対話と、蓄積された技術力なのだ。

食糧や環境問題、医療関係で日本が貢献できることは沢山あり、外国の人達に幸せになってもらう事をやり続ければいい。

そして、日本の国旗を見ればその願いが見えてくるはずだ。

日の出ずる国「Land of the Rising Sun」の役目だと思う。

災害も多いこの国の未来図を描ける優秀なリーダーの出現を願うばかりだ。

このままでは、残念ながら多数決という手段で同じ過ちを繰り返す事になる。

 

火災が起きている建物のドアノブを触り熱くなっている時、むやみに扉を開ける事はしないだろう。

まずどんな状態なのか情報収集する事から始め、しっかりとした装備をで現場に入る。

それは、経験や過去から学んだことからくるものだ。

前述の様な、憲法による封印された扉をもし開くのであれば、「歴史」という経験や知識という武器は意味のないものになってしまう。

きな臭い国際情勢を理由に改憲論を主張する人達に考えてもらいたいのは、今世界で起きている悲惨な数々の出来事と改憲とはまったく別次元の関係のない話であり、日本の未来を決める事を安易に、しかも早急にやるべき事では無いという事だ。

 

選択を誤れば取り返しの出来ない、後戻りできないという事実を国民全体で共有し、時間をもっとかけるべき課題なのだ。

放射能を無害化できる技術が確立された時に、災害で命が無くなる人がいなくなる社会基盤が整ってからでも遅くは無いのだ。

 

核が今最強の兵器であり、抑止力になっているが、生物兵器化学兵器も核爆弾に見劣りしないぐらいの威力を持っているのも事実だ。

ベトナム戦争でも枯葉剤による悲惨な出来事が起きた事からも分かる。

そして先の大戦で日本も、細菌兵器開発の為の捕虜に対する非人道的な扱いをやったのも事実なのだ。

(息子の小中教科書には一切載っていない。やられた被害は記載されているが、やった事は書かれていなかったし、私の時代の教育でも知る事は無かった)

今や情報も含めたデジタルによる攻撃も、大きな脅威になっている。

電力網を含めたライフラインの乗っ取りも現実味を帯びている。

もし、そうなれば日本中がパニックに陥る事だってありうるシナリオなのだ。

電気が無くなった時の事を想像すれば解るはずだ。

いざ戦争が起きれば良い戦争も、悪い戦争も無く、戦争のルールさえ形ばかり、形骸化されると考えるのが普通であろう。

犯人探しをしている間に、多くの犠牲者が出るのも解りきっている事だ。

3.11の大震災の様な災害は、人を選んだり手心を加えたり、ルールがあるわけもなく、それも突然襲って来る。

戦争や紛争、差別や民族主義、宗教や民族からくる優劣など、それらは人間自らが生み出す残忍な最悪の災害ともいえる。

自然災害よりもたちが悪く、憎しみや増悪を助長し続ける。

子供や女性が犠牲にならない戦争なんてありえないし、たとえ生き延びたとしても、自然災害ならまだしも、命を奪われた家族や親族にとっては、相手は悪魔でしかない存在として一生恨み背負い続ける事になる。

この世で一番恐ろしい兵器は、災害は人間なのだ。

残忍で愚かな人間という生物の誕生は、一方で生きる意味を問い続けてきた唯一の動物でもある。

喜怒哀楽をもたされて生まれた人間は、人に対してだけでは無くあらゆるものに対する共感や共有出来る力を持っているとも言える。

すなわち知恵で生き延びる方法を探る能力も持ち合わてるともいえるのではないか。

同じ人間だけでは無く、他の動物に対してもありがたみを感じ、死を悼む心を持っているのには、必ず訳があるのだ。

 

扉は自ら開くものだ。

だから責任を取らなければならない。

決して、誰かのせいにしても誰も責任を取らない。取れない。

過去が、歴史が証明している事であり、死んだ人間が生き返ることなど無いのだ。

だからこそ、考える頭をもって私達は生まれてきた事を、改めて認識したい。

 

そして扉は、封印した扉ばかりでは無く他に沢山あるのだ。

愚か者が持っているその扉の鍵を回させてはならないのだ。

人間の英知を結集する事で、未来という鍵を使い、開けられる扉が必ずある。

楽観論者として見られようが、私は人間を信じたい。

詩を読み、音楽を奏で、物語を紡ぐ事が出来る人間を信じたいのだ。

 

イギリスのジェリー・アンダーソン制作スーパーマリオネットで作られた国際救助隊「サンダーバード」という幼い頃から大好きだった番組がある。

ご存じに方もたくさんいらっしゃると思うが、彼らの任務は国境を超えて、災害や事故現場に急行し、命を救う事を目的としている。

いつか、国連の演説で日本のリーダーが、こう高らかに宣言する。

自衛隊は国際救助隊となり、世界中の空を飛び、海を越え命を守る組織に編成する」と。

赤の丸が入った白い機体が世界中を駆け巡るその光景を想像するだけで心が躍る。

それは、私の夢ではあるが、様々な災害で、国民の命を救ってきた自衛隊の方々。

日本はそれにふさわしい下地があるのだ。

そんな日が来ることを心から願っている。

 

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