心の道標

様々な自分の疑問に、自分で答えを見つける旅

若者達へのメッセージ⦅未来を動かせ⦆(2)

目まぐるしいほど世の中は変化していて、科学や物理、歴史や医療など、ほとんどの分野で進歩し、様々な事が解ってきた。

私が昭和に受けた教育は一体何だったのだろうと思う事が沢山ある。

というか、色々なニュースで新たな発見や知らなかった事を見る度「習った事と違ってんじゃーねぇかー」とブツブツ独りでしゃべっている。

ほぼすべての分野において、習ってきた事が間違っていたり、通用しなくなっていたりする事も多く、記憶するだけの勉強に何の意味があったのか甚だ疑問に思う事が多い。

しかも、教科書には載っていない事が沢山あり、調べれば調べるほど出てくる。

この地球上で唯一、死後も情報を伝えられる言葉を獲得した人間にとって、とりわけ大切なものは歴史であろう。

後の世に生きる人達に対してのメッセージであり警告であり、また希望でもある歴史を、私達は疎(おろそ)かにしすぎではないか?

生れた国の事を習うのは当たり前だが、過ちを繰り返さない為に自国の負の部分も出来るだけ真実を伝えなければ意味が無い。

実際、息子の小中学の教科書を見た時に、日本の負の部分に触れている項目は、あまりにも少ないし、上辺だけなぞっているだけだった。

その時々の政権や世界、国情で伝えるべきことを伝えず、「愛国心」という名の元、都合の良い事実のみ教える事はとても愚かな事だと思う。

若い時には、そんな事すら考えもしなかったのだ。

だからこそ、今の若者に伝えたいのだ。

(ウイキペディアより)

昭和の時代は経済成長で、皆がほぼ横並び状態。

欲しいモノや憧れの商品も同じようなモノが多く、反面、今より遥かに将来への選択肢も少なかった。

先生と名の付く人には一切逆らえないし、ネットも発達しておらず簡単に自分の意見を表明できる機会も無かった。

親方日の丸で「御上様」の言う通りやれば良いとほとんどの人達が思っていたのだ。

ただ、そんな中でも当時の若者は、ハッキリと身体を張って意思表明する人もちゃんといた。

わざと、汚い服装を着たり、西洋の流行を取り入れたりして○○族と、ニュースをにぎわしていた。

今よりも勇気も時間もかかったが、行動的で気骨な若者も多くいたのも事実だ。

その様な人達の一部がジャーナリストとして、後に活躍していたのだ。

今、その様な権力や世論を気にせず、発言、発信する人達がほんの少ししかいない事が誠に残念である。

加えて、マスメディアの力の無さにもあきれ返っている。

 


戦史の証言者たち (文春文庫 よ 1-28)

このブログでも書いたが、歴史が嫌いだった私が30代、作家「吉村昭」さんの本との出会いのお陰で興味を持ち、習ってきた事がほんの一部だと知らされた。

例え、日本人の愚かな歴史を知ろうとも、この国が好きであるのには今も変わりない。

いや知ったからこそ、改めて自分の国を見直す事が出来た。

そして教科書にも載っていない数々の人達のお陰で、今がある事を考えるきっかけにもなった。

今の教科書を見れば解るはずで、断片でしか教えない。

時間的な問題もあるとは思うが、世界と日本との年代の関係性や戦争など負の連鎖になぜ陥ってしまったのかの考察を教え、年代や名前ばかり記憶させる教え方をそろそろ見直すべき時だと思う。

これほどインターネットが普及しているのだから、年代や人の名前くらい検索すればいいだけの話であり、物事が起きる事の間にある過程が重要で、その部分に疑問や答えを見い出す力が無ければ、何の為の歴史勉強か解らないし、身にもつかない。

 

周辺国や我が国の実情を見れば解る通り、子供の頃からの教育は、偏っていたり間違った認識で教えてしまうと、刷り込みの様に刻まれ、会ってもいない、住んでもいない国や人達に増悪や差別意識を持たせる危険な一面がある。

ヘイトや差別、イジメをやっている人達は、圧倒的に情報力の無さからくる無知が原因になっている事が多いのだろう。

情報は、都合のいいものばかりでは無い。それに気付かない事が、思い込みや偏った考えに至ってしまう。

だからこそ、大人達は全ての事実を後の世に伝えていかなければならない。

例え、他国が意にそぐわない教育をしていても、張り合って比べる必要は無いのだ。

何故なら、真実を見る力と過去から学ぶ力が無ければ、人間は多くの不幸と悲しみを生み出し続ける事になるからだ。

逆を言えば、事実を受け止め、間違いを正す人間が増える事の方へ、思考を向けるべきなのだ。

「やられたからやり返す」この考え方は、はたして進歩したした人類の在り方であろうか?

私達人間は、人を憎む為、差別する為や優劣をつける為に生れて来たのであろうか?

過去を学ぶ事は、その為だろうか?

 

冒頭様々な分野で発展や発明、発見や解明が進んできた事を書いたが、先人たちが残した言葉が無ければ、人類の進歩は起きなかったのだ。

確かに人類は、争い事が起きる事で、様々な技術や発明を生み出してきたという背景がある。

現在の生活にコンピューターから始まり、ネットや航空機、半導体等数えきれないほどの多大なる恩恵をもたらしているのも確かである。

 

だがこれは何を意味するのであろうか?

人類は兵器開発や販売で多額の利益を生み出し、その必要性を必要悪としながらも訴え続け、とんでもないお金をつぎ込み続けているのだ。

素晴らしい技術であっても、人を殺す為に使われ続けている事を、どう未来の人達は評価するのであろう?

今のところ残念ながら、人間の精神部分の進歩や進化は遅々として進まないどころか、同じ過ちを繰り返すばかりだ。

戦争や紛争、犯罪、差別、民族主義といつも世界中で、悲しみの涙を流し続けている。

苦しんでいる人達に想いを寄せる事はとても大切な事で、寄り添い助け合わなければならないのだが、

根本の部分が変わらない限り、同じことの繰り返しを続ける事になる。

これは無知からくるものなのか?それとも欲からくるものなのか?いずれにせよ、私達人類は次のステップに進まなくてはいけないのだ。

地球という「ゆりかご」は、決して優しくない。

様々な試練を課してくるだろうし、課題も与え続ける。

同じ生物同士がそれに輪をかけて、苦しみを増幅しているのだ。

 

一見正当と思える事も、裏では各国の武器等の利益やエネルギー問題等、表には出てこない利益誘導の思惑が隠れており、一部の権力者や独裁者の話だけでは無く、民主主義と言われている国であっても利益や優位性、選挙対策や権力の把握という人間の「欲」が絡んでいるのだ。

だからこそ過去の事を調べ、同じような過ちを繰り返させないように、国民一人一人が意識を向けなくてはならないし、マスメディアもその責任を負わなければならない。

 

日本は、第二次大戦後より民主主義国家として、国民主権をうたわれているのだが、

選挙の投票率を見ると、令和3年10月に行われた第49回衆議院議員総選挙では、55.93%、令和元年7月に行われた第25回参議院議員通常選挙では48.80%で、10代~30代の若年層では20%にも達していないという、悲惨な状況である。

総務省ホームページより)。

言い換えれば、時の政府にやりたい放題にさせても良いというお墨付きを与えている事と同じなのだ。

 

世界で起きている悲惨な状況と、犠牲になっている人達に「助けたいと」と思う気持ちは、選挙に行く事でも同等の効果を生み出すのであり、変えられるのはやはり一人一人の意識でしかない。

いつの間にか、紛争や戦争に巻き込まれてからでは遅いのであり、戦争放棄をしたこの国の役割を、心から担ってくれる政治家を選ばなくてはならない。

 

色々な過去で起きた事を、自分なりに調べて欲しい。

この国だけでなく、世界中の人達の未来に関わっている事を自覚して欲しい。

「別にオレ一人では何も変わらない」という言い訳は、必ず跳ね返って帰って来る。

自分の年齢と重ね合わせ、当時の若者の心を紐解いていく事も、結果的には自分という存在を知る事にも繋がる。

辞書を引いたり本を読んだり、激論を交わしたり、旅に出たりと身体を使わない限り身に沁みつかない事の方が沢山ある。

ポチっとクリックするだけでは得られないものがあるのだ。

恋愛でもスポーツでも、自分が動かない限り何も進展しないし、何も起きない。

まして上手くなること等無いのだ。

ハウツー本は役に立たない!

漢字が読めても書けない事と同じだ。

いずれ電脳世界が訪れ、電極を直接脳のニューロンと接続させ、まるで映画のマトリックスやレディープレーヤーの様になれば別の話になるかもしれないが。

コロナの影響や学費等、学生や若者にあまり優しくない社会を実感しているのなら、変えなくてはならない。

不合理な社会に自分を合わせる必要など無いからだ。

いずれ子を持つ事もあるかもしれないし、何より子供達の見本となる大人になるからだ。

その為には、学生時代だけが勉強期間では無く、生涯を通して学び、自分を探し続ける事だ。

好奇心や謙虚さ、想像力が色々な形ををもって君達を助けてくれる。

勉強と言っても、難しく考える必要は無い。

判らない事があれば調べる事から始めてもいいし、大切なのはそのままにしない事だ。

勿論本を読む事もお勧めだが、何より親も含め、年上の人達から様々な事を聞く事も学びとなる。

ただ単に右から左に流すだけなら、音楽を聴いている方がマシだ。

世界には素晴らしいシンガーが沢山いる。

一流と言われている人達の音楽に接してみる事も、新たな発見になると思う。

映画を観るのもいいかもしれない。

歴史を知る上で本当に起きた事を映画にしている作品も多い。

邦画だけでなく、洋画にも挑戦して欲しい。

出来れば、世界で困っている人達の現状を見たり、検索したりして知って欲しいのだ。

私達人間には、共感できる能力がある。

何も楽しい事ばかりでは無く、人として辛い事や悲しい事を共感できる気持ちを大切にして欲しい。

当たり前のことを当たり前と思わない事と、新しい事にどんどん挑戦すべし。

 

留まっていてはいけない

年寄になればいずれ動けなくなるから、後回しで十分だろう。

時間は思っている以上に早く過ぎていくものだ。

小さな事にこだわっていると、大切な事に気付かない。

幸せはいつ何処で、どんな形で訪れるか誰にも解らない、一瞬の出来事の中にあるものだ。

だからこそ逃さないように、見い出せるように優しい人間でいて欲しい。

それも生涯ずっとそうあって欲しい。

それは、自身に対する約束にすればよい。

君達の命が尽きる時に後悔しない為にも。

 

若者達よ!未来を動かせ!

 

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