心の道標

様々な自分の疑問に、自分で答えを見つける旅

偽りの自分がいる⦅環境⦆(3)

人間は置かれている環境に大きく影響される。

例えば私もそうだが、お金が無い時や困っている時、心から喜んだり楽しんだりできない。

考えまいとするのだが、いつも心の片隅に残って何かの拍子に顔を出す。

「何とかなる」と自身に言い聞かせてもつい「お金があれば」と愚痴が出る。

大抵そのような場合、前述の心持でいるからおのずと行動や言動も否定的になる。

世の中、お金では買えない大切なものがある事もお金が全てでない事も、そして幸せもお金では買えない事は承知しているがどうしても卑屈になってしまう。

私はこのブログで書いているので具体的ないきさつは省略するが、アルコール中毒、すなわち依存症になってしまい、ほぼ2年間を無駄にしてしまった。

その間生活は妻の給料ではやっていけなくなり銀行のフリーローンに手を出してしまった。

当時、景気もそれほど悪くなく銀行から融資増額の話の電話もあり、500万まで借り入れが出来るようになっていた。

借り入れは最初の時一旦思い直したり不安になったりするのだが、一度借りてしまうとその後は返すという事が頭から抜け落ち、まるで打ち出の小槌の様に次から次へと借り入れをしてしまう羽目になった。

1万返しても5千円ほどしか元金が返せなくなり、気が付けば返済額は月7万円を超えどうにもならなくなってしまった。

おまけに息子の進学や授業料、失職と悪いスパイラルに巻き込まれるかの様になってしまい、債務整理をする所まできてしまった。

今も返済中だが、常にお金の支払いに頭を抱える毎日で、妻の「何とかなる」の言葉が無ければ自分はどうなっていたか、考えるだけでも恐ろしい。

 

2018年厚生労働省年金局の資料によると非加入者は96万人で、その内、繰下げ受給の為に支給されていない人を引くと56万人程度の人が無年金者となり、年齢が高くなるほどその割合も高くなっている。

国民年金制度は昭和36(1961)年4月から実施され、初期は任意であった事や支払いをしていない人も多くこのような結果になっている。

私が年金を受け取る時の金額は国民保険だけなので5万円にも満たない。

考えて見ればお先真っ暗な話という訳で、益々経済的な心配が増えるばかりである。

貧困は人間を卑屈に、消極的にさせる。

高齢者の問題だけでなく、若い人達にも増えている深刻な問題だ。

ひとり親家庭や引きこもりや独身者、無保険者と、年々増加している現状で、一体どのくらいの人が悠々自適な生活を送れているのか?

子供の貧困率も7人に1人と言われる中、日々のニュースからは、そして政府の政策からは全く危機感が感じられないのは私だけであろうか?

振込詐欺やなりすまし、SNSによる強盗と手っ取り早く大金を手にする犯罪も多い。

警視庁によると、2023年上半期の特殊詐欺の被害額は37億7,000万円。

これは都内だけで、2022年全国では370億8000円にも上る。

額にも驚くが、いかに個人資産が多いかにも目が行く。

言い換えれば、国の老後に対する政策が貧弱であるという裏返しでもある。

 

一概には言えないが、貧困は人間をむしばむ。

犯罪に手を染める人はごく一部ではあるが、お金至上主義の考えになってしまったり、自身の力の無さを責め、人とのコミュニケーションを取らなくなったり、弱い立場や良しとしない考え方の人を攻撃したりと、自己中心型の人達を生み出す原因にもなりうる。

すなわち、おかれている環境次第で人間は思いもしない行動や言動をするのだ。

昨今の車販売店の保険金詐欺ケースでも社員達は入社前、きっと車好きの優しい人達だったのだろう。

入管での死者まで出してしまった人権を無視する不当扱いや外国人労働者に対する暴行。

権力が、お金が、組織が人間を変えてしまうのだ。

 

私自身お金が無い事で、自分よりも恵まれていない人を見ると同情しつつも安心し、心が軽くなってしまう。

旅行やグルメ番組には「よくそんなお金があるな」と心でつぶやく。

そんな自分が嫌で、本当の自分はどんな人物でなのか?どんな人物でいたいのか?

自己嫌悪に陥ってしまった。

ブログで何度も書いているが、心は流動している。

自分をおとしめる様な環境から抜け出し、例え抜け出せなくても常に自分を見張っていたいとつくづく思う毎日である。

 

だいぶ前だがアメリカ多発テロが起きた後、容疑者や捕虜に対する虐待や拷問があった事が明るみに出た。

ただアメリカは、時間差はあるが不正を表に出す人間がいて、真相究明をするマスメディアが機能している。

この手の犯罪は映画化もされモーリタニアン 黒塗りの記録』(2021)や『ザ・レポート』(2019)でもその裏側にある、正義の名の下に行われた非道な事実を浮き彫りにしている。

この国日本は有事の際、果たして同じように機能するだろうか?

 

普通にどこでもいる様な人達を、悪魔の様に変えてしまう環境という要因。

すなわち、権力乱用、紛争や戦争といった人間自らをおとしめる様な行為に加え災害や貧困等、社会基盤が機能不全に陥った時、考えられないような残忍で欲望丸出しの人間を作り出してしまう。

きな臭い国際情勢の中、唯一の被爆国である日本が核兵器禁止条約すら批准する事なく、未だ抑止力だと西側諸国との認識共有という何とも歴史の警告を無視する立場を取り続ける政府。

戦争を始めたいのか?と疑う様な副総裁を含め政治家の発言や政策がこの国にどんな環境を作り出すのか心から危惧している。

本当に防衛費の大幅増額を国民は、自公政権支持者は良しとしているのだろうか?

本当に西側諸国と足並みをそろえる事が正しい道と考えているのだろうか?

島国の利点を活かし、話し合いの道を模索しないのは何故なのであろうか?

国内の少子化や貧困対策に何故税金をもっと使わないのだろうか?

貧困ですら心がすさんでしまう現実の中、更なる過ちをこの国が繰り返すかもしれない事を思うと、寒気がするし恐ろしい事が一般の人達にも必ず降りかかってくるだろう。

 

置かれた環境に影響される事無く、自身を善の方へと軌道修正出来る人達は確かにいる。

しかし極限での環境ではそれさえも奪ってしまう可能性が高い。

取り巻く環境は、良きにせよ悪しきにせよ人間を変えてしまう。

時にどんなに優しい人でも、悪魔に変えてしまう力を持っている事を忘れてはならない。

先祖達が無駄死にならない様に、歴史から学ぶ事を、そして日の出(いずる)国の誇りを忘れないで欲しい。

僕らは知らないといけない

残忍で情け知らず

野蛮で無秩序

古い動物脳がそうさせる事を

動物は生きる為

人は恨みと正義感

引き出すのは臆病と弱さだ

見張っていなさい

心の動きを

大切な人の為

自分がいる事を

 

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