心の道標

様々な自分の疑問に、自分で答えを見つける旅

切なくて

幼少期にはTVのヒーローに憧れ、青年期は実現しそうな映画の主人公やドラマに出てくる主人公に自分の未来を投影させていた。

20代、30代の頃は、それでも夢を追いかけ、実現させる為の余力もあったし、周囲の動向などどうでも良かった。

同年代が次々と就職していく中、髪を伸ばし好きな事をやってきたのだが、自分の理想とする将来像がどんどん遠くに離れる様に感じ始め、と同時に50代以降途方に暮れている自分を想像して落ち込んだものだ。

挫折し、失望し、無力感にさいなまれる。

当たり前だが、一足飛びに自分が理想とする人物や生活様式にはたどり着けない。

だんだんと限界やタイムリミットを設けるようになっていったが、焦りと共にきっとどこかで一変するような期待もあった。

それは、将来の自分の姿を見たくないという逃げだったのかもしれない。

バブル期が終わった事を横目で見ながら、焦りだしたのは言うまでもない。

上を見ても下を見てもキリがない。

普通と言われるような将来を描かなかった私。

何の疑問も持たずにレールの上を進みたくなかったささやかな抵抗だった。

それは、人生や生まれた意味という疑問が常に頭の中にあり、何をやっても見つからず、誰も答えを教えてくれなかったからかもしれない。

何より自分で見つける事が出来ないもどかしさに、大切な時間を使ってしまった。

最近、夢の中に過去に出会った人達が日替わりで出てくる。

起きた途端「あの人とも知り合いだったなぁ」という記憶ぐらいで、ストーリーも無茶苦茶だし、時代も交差している。

しばらくボーっとした後、「そういえば、あの時こうやっておけばよかった」と夢に出てきた人を思い出し、後悔が頭をよぎる様になった。

勿論、自分にとっては会いたくない人も出てくる。

「今の私ならガツンと言えるのになぁ~」等と、これも後悔だ。

考えて見ると、様々な出会いがあった。

自分の人生に関わった人達は、誰一人欠けても今の自分は存在していない。

終わりよければすべて良しという事だろうが、その時々では悩みや苦しみがあり、自身も含め人との関わり合いの難しさに悩んだものだ。

どうしようもない無力感や、焦り

やるせなさに襲われて

答え探しの旅はいつまでか

自分の存在が、あまりに薄っぺらで

厄介な思考は、行き場のない想いを影として

夜な夜な張り付いては、殴りかかるのだ

一体、誰と戦っているのか

自分は、何処にいるのか

自分は、何処にいくのか

空回りする心は

ひたすら誰かを求めている

会いたい

話してみたい

心の空虚を満たすほどの

あなたの言葉の海に溺れたい

切ないこの想いを吐き出して

 

誰でも悩み苦しみ、怒り泣いたりしながら人生を生きています。

大きな存在が、それを上の方から覗き込んでいる様に思うのです。

それは、ただそこにあるだけで、カオスであり調和を保っています。

そう、まるでダンスを踊っている様に。

だからこそ、「生きる事が全てだと」「もっと舞いなさい」と言っている様な気がするのです。

線香花火の様に、人生は一瞬のはかない時間だという事を、なぜ私達は実感できないのでしょうか?

「暑い!暑い!」と叫びながら自分が線香花火である事を忘れ、燃え尽きてしまうだけでしょうか?

見方を変えると、人生は切なく物悲しくもあり、消えて欲しくない名残惜しい花火だと解るはずです。

その気付きこそが、燃え尽きるまでの一瞬の中にある光の雫(しずく)の様な「幸せ」を見せてくれるのです。

 

例外無くこの世の全ての物は壊れ、死を迎えます。

死は新たな誕生の元となります。

大きな存在は、それを見守り誕生に歓喜しているのでしょう。

そして、

「いつ死んでも悔いは無いのかい?」

「やりたい事はやったのかい?」

「言いたい事は伝わったかい?」

「優しくしてあげたかい?」

「自分を見つけたかい?」

 そして

「愛しているよってちゃんと言ったかい?」

と問いかけをしている様に、グルグル地球を回しながらチャンスを与え続けているのかもしれません。

今も時々宇宙(そら)を見上げる度にちっぽけな自分を想い、切なくなってしまうのです。

 

振り返ってみると、「時間が無いよ」と過去の自分に言い聞かせてやりたいと思う時があります。

「なんて時間の無駄遣いをしているんだろう」って。

自分で自分を好きになれなかったり、嫌いになったりと誰にでも一度は抱く感情です。

嫌いなところも好きなところも全て自分だと気付いた時、相手と対等に話せる事もやっと解りました。

どうにもならない感情に悩まされた事も、湧き出てくる苛立ちさえ懐かしく思います。

何か大きな見えない存在に助けを求めている時、それは自分に対して約束をする時かもしれません。

約束を破らないよう見張っていて下さいと。

心の中には

全てがあった

命の秘密も

過去からの声も

無言の指針も

そして

まだ知らぬ可能性も

 

心の中の探求は

寿命という時間を使ってもなお

足りないのだ

気付きという名の明かりを持って

自我を捨て

重荷を落とせ

思っているより

はるかに深い

 

『切なくて』オリジナル曲

youtu.be

 

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