昭和の頃ではお見合いやおせっかいな人達がいたおかげで、年頃になると恋愛対象や結婚する相手を見つける事は今よりも少しは楽だった。
今は恋愛相手も異性だけでなく様々な形態になり、対象になる人達の人口も減り晩婚化も進んで、おまけに社会も不安定でなかなか出会う機会や恋愛から結婚に至るハードルも高くなって、若い人達にとっては受難な時代だといえよう。
特に経済的な理由でその機会すら与えられない人も多く、一人暮らしや、親との同居が長い人も増えている。
経済格差社会では特に男性にとっては厳しい状況で、働き手の多くが中小企業に勤めており、派遣扱いも多い中、普通に家庭を持つ事も難しいのが現状だ。
ネットや婚活紹介会社などで出会いを求めてする人も多いと聞く。
若者だけでなく、高齢化の日本では中高年も出会いを望んでいる人が多い。
経済的な理由や寂しさから将来の選択肢を決めてしまう。
悲しい事だが、それが現実だろう。
しかしもしかしたら幻を見ているのかもしれない。
何故なら、誰も先の事は解らないからだ。
パートナーにしても家族にしても色々な形があって、本当は社会が強制している訳ではない。
理想像も知らない間に刷り込まれ作られたものかもしれないのだ。
自分を振り返ると、夢見のプー太郎(今では死語?)すなわちその日暮らしの様な昭和の時代にはあまり居なかった部類で、結婚など頭の隅にもなかった。
同様に、私と同じように生きてきた友人達は今でも独身が多い。
勿論、彼らが恋愛や結婚をあきらめていた訳では無く、時代が恋愛や結婚対象としては論外としていたからだ。
そして機会を得る事も無く月日が流れてしまったわけだ。
長く一人でいる時間が増えれば他人が入ってくる事がおっくうになってしまう。
私自身もそうだったが、気楽で何も考えずに済むからだが、たまに強烈な孤独感を感じてしまう。
自身を責め、時間を無駄にしてしまった事を後悔する。
ただ頭をかすめるのは経済的な事で、それを理由に結婚できないならその方がマシだとも思っていた。
それは、相手が私自身を品定めされている様な気持ちになったからだ。
当時も3高(高学歴・高身長・高収入)という条件が頭をよぎっていて、どの項目にも当てはまらない私には、夢の様な世界であった。
反面、人間性の力が、すなわち優しさや心の広さがいずれ道を開くという事も信じていて、今の自分に運が無いのは、「それだけの男だった」という何とも情けない理由を付けて、自身を慰めていたものだ。
私が今のフィリピン人の妻と出会い、結婚できたのも偶然の重なりの様なモノで、経済力一つとっても日本の女性から見ると明らかに対象外だったし、年齢や容姿でもプラスになる要因にはならなかった。
もし、友人の誘いでフィリピンパブに行かなかったらずっと独身でいただろう。
もし妻が他のお金持ちの若い男性をフラなかったら?そんな偶然や運が今を作っている。
今になって思う事は、頭でどんなに考えていても、何もしないと何も起こらないという事と、自身が動けば出会いは必ず誰にでも訪れるという事だ。
そして、何かの理由を付けて諦める事の愚かしさだと思う。
選択は必ず自分でするもので、その為には行動が絶対条件になる。
結果、どの道を選んでもそれは自分の選んだ答えに沿うモノであり、考えが変わったなら行動を起せばよいだけなのだ。
過去に囚われない生き方という事でもある。
人間は弱い。
その弱さこそが生きる為の糧になり、繋がりを生み出していく。
だからこそ、その弱さを知らなければ優しい人間にはなれない。
その為に、自分を知らなければならないのだ。
弱さがマイナスになる考えは捨てるべきだ。
隠す為に嘘をつく必要になる。
相手に対しても、そして自分自身にも。
器が小さいと、入るモノも少なくなるのと同じだ。
自分を知る事は、そして理解する事は世間という物差しで測ることは出来ない。
どんな人間か。
人は普段の行動に見て取れる。
正直者が損をするという言葉があるが、正直者はずっと正直者でいて、損はしない。
損をしたと思うなら、それは誰かと比べた時だから。
優しい心の持ち主は、ずっと優しくあればいい。
優しさの主(あるじ)だから。
今の世の中は複雑になりすぎて余計な事までしょい込む事ばかりだが、逆にチャンスかもしれない。
上辺だけの繕いが陳腐であるという事に飽きてきている事に気付き始めているし、そう信じたい。
弱さが優しさを生むように、この社会が病んで行けばいくほど優しさが輝いていくからだ。
その為に自分と向き合う時間だけは、どんなに忙しくても作らなくてはいけない。
自分に嘘をつけばつくほど優しさは遠ざかって行き、出会いを失っていくだろう。
心優しい人間には、必ず同じような人達が集まってくる。
目に見えぬものこそが、大切なものなのだ。
時の行方を手探りで
探り流され留まって
寂しく切なくなるこの気持ち
二人がもたらす贈り物
独りになれない
半人前の埋め合わせ
その手を離すまいとするように
視界に留めて寄り添い重なり
いつまでも
願う不安は未来を避けて
夢を作らず今だけ信じる
ありのままの不安定な心地よさ
こぼれ出る言葉は
いつも「あなただけ」
ずーっと同じ気持ちで相手と過ごす事はほとんど無理でしょう。
何故なら、私達にはジッとしていない心を抱えながら時が流れているからです。
そして、少しずつ歳を重ねながら、死が訪れるまで経験を積んでいくのです。
時にその経験は、当たり前の事として流してしまいます。
人間には、過去に戻る事も未来の事を知る事も出来ません。
当たり前の中から生まれ出た経験は、本当は奇跡のようなものです。
思い返した時、心が暖かくなるような積み重ねがまだ訪れない未来の方向を決めていきます。
それは、いつ起きるか解らないちょっとした隙間に潜んでいるのです。
オリジナル曲『ONLY YOU』
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