心の道標

様々な自分の疑問に、自分で答えを見つける旅

生と死と宗教の狭間(はざま)・後編

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昔から私は宗教に興味があったので、布教に来る人の話を聞くのが苦では無くむしろ、興味津々で聞いていました。

若い時は駅のホームのベンチにうつむいて座っていて、ふと顔をあげると手をかざされていたり、

知り合いから話があると言われ、ついていくと5~6人の人に囲まれて、朝まで布教の話を聞かされたりと、かなり経験を積んできました。

 

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ある布教の為、自宅に来た女性の話が、面白くて今でもはっきり覚えていますが、

 

女性「なぜ人間がこの世に生まれたと思う?」

私「隕石か何かで、生命の元になるモノが運ばれたという話は聞いていますけど」

女性「そこにある、ジューサーミキサーをバラバラにしたら、元の形は解らないでしょう?」

私「そうですね。まあ、これぐらいだと組み立て直せますけど」

彼女「部品をボウルに入れてかき回しても、何も変わらないでしょ!」

私「まぁそうですね!」

彼女「そう!そういう事よ!組立てたのが神様です」と。

そして、ライオンも草を食べるようになる絵の入った冊子を置いて帰りました。

 

某宗教のチラシを持って家に来た人がいました。

 

彼「ほら、○○が昔から書いていたとおり、死んだ時、悪い心の人は体が重くなり、色も黒くなるのだよ」

そして「良い心の人、すなわち○○を信じると、体は軽く、色は白くなるんです。」

私「最近は、亡くなる方の多くが重くなるの、知ってました?」

彼「……」

私「黒人の方で良い人で、クリスチャンでも、死んだら白くなるのですか?」

彼「……」

帰って行きました。

 

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ある日、昔の知り合いが突然訪ねてきました。

 

彼「キリストは、とっくに生まれ変わっている事、知ってた?」

私「えー!何処で?」

彼「アジアだよ!俺が今、色々教えてやるから!」

私「興味ないんだけど」

彼はDVDを見せながら必死に説明するのです。

そして今、ニューヨークで教祖が決めた相手と、結婚して、布教活動している事や、資金調達の為に、日本に一時帰国して働いている事などを2日間、聞かされました。

彼「花は何の為に咲いていると思う?」

私「咲きたいから、咲いてるんでしょう」

彼「人間の為だよ!喜ばせる為!」

私「違うと思うよ!虫の為かもしれないし」

彼「解ってないのかー!これだけ説明しても」

そして「全て、人間の為にあるんだよ!」

そう言い残して帰って行きました。

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私の宗教観はこうして徐々に、出来上がってきました。

 

今、宗教二世問題がやっと取りざたされるようになりました。

この問題は、親が宗教団体に入っている事で、子供も、生まれた時からその環境で過ごし、親の布教活動や、進路まで決められてしまい、成長した一部の子供が、自分の時間の在り方に疑問を持つようになるという問題です。

私自身も、関わった事でもある問題です。

私の周りにも親と同じ宗教団体に所属し、そのまま大人になり、伴侶となった人も、同じ宗教団体の人と結婚しました。

彼とは親しかったので、一度、宗教観について疑問を抱く事は無いのか尋ねましたが、全く考えた事はないという返事でした。

彼は続けて、母親の病気が信仰によって救われた話も聞かせてくれました。

勿論、彼らは素晴らしい人間で、気持ちよく接せる人達ですが、それ以降宗教の話は、しないようにしました。

信仰の自由を認められているこの国で、その自由を奪われている人がいる事も、知っておかなくてはいけないと思うのです。

たとえ我が子であっても選択肢が狭まれる事を、やってはいけないし、色々な選択のチャンスを選ぶ機会を作るべきです。

根深い問題として、忘れないようにしたいものです。

 

脳死、臓器移植、植物状態はもちろんの事、難病による筋肉の低下、癌などの特効薬がまだまだ追いついていない病気、事故による機能不全や後遺症と、誰にでも、いつでも起きうる問題です。

お金の事も絡んできますし、家族間での日頃からの意思伝達も大切です。

自分がどのような形で、最後を迎えたいか?は医療の高度化でますます考えなくてはいけない課題となりました。

社会が便利になればなるほど、複雑になり、選択肢が増え、死にゆく立場と見送る立場の両方を考える事も、なかなか簡単ではありません。

 

前の話ではありますが、お医者さんに「どのように死にたいか」というアンケートがあり、一位は「癌」。

なぜなら、死までに時間があるからという事でした。

やり残した事への後悔を、心配しての事だと思います。

残された人達への財産の事や、諸々の手続き、宗教の事が頭をよぎるからです。

 

ただ、旅立つ時は、もう頭からそのような事は、自然と離れていきます。

受け入れる準備ができたからです。

そして、最後の短い時間にGIFT贈り物を渡すのです。

笑っている顔、託す夢、手のぬくもりであったり、ただ最後まで生きたという無言の証であったりと、違いはあれど「思い」なのです。

その時、モノを渡すことは出来ません。

優しさだけが、GIFTになるのです。

見守るだけしか出来ないかもしれませんが、GIFTは、受け取るというより、流れ込んできます。

去る者、残された者の時間の受け渡し、すなわち命の引継ぎなのです。

 

事故や災害、予期せぬ病気で、残念ながら立ち会うことが、見送られることが出来ない事もあります。

でも、そんな時でさえ、伝わるのです。

何故なら、残された者の記憶により、去って行った者が、永遠の命を持つ事になるからです。

残された者の中で生きる為。

命を引き継いで、生きて欲しいというメッセージです。

死生感や宗教の入り込む余地がない、自然の流れだからです。

 

小学生の頃、剣道練習の帰り道、雨が降っていました。

トボトボ歩いての帰り道、見知らぬおじさんが、

前後の記憶はありませんが、そっと傘の中に入れてくれた事を。

名も知らぬ、見上げた優しい顔を。

今でもはっきり覚えています。

もう、とっくに亡くなっていらっしゃるその人。

でも私の中に、ずっと生き続けています。

そして、その話を子供にも伝えました。

私が死んでも、名も知らぬ、あの優しいおじさんは、いまでも生き続けていきます。

 

色々な宗教の中で「永遠の命」に関する事が出てきます。

本当にマスター達が伝えたかった「永遠の命」とは、生き続けるという意味では無く、世代を超えてまでも、人々の心に残るという意味なのです。

 

きっとあなたも、永遠の命を持っています。

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 医療廃棄物からの導入での話でしたが、私が見てきた多くの病院や老人施設。

そこで働く、医師や看護師、掃除する人、事務、様々な裏方の多くの人達。

その一人一人が、とても頑張っていらっしゃる事と真剣に向き合っていらっしゃる姿は、本当に頭が下がりました。

そして、今でも医療廃棄物を年中、運んでくれている元同僚たちも含め、関係者の3K《きつい、汚い、危険》の仕事の上に成り立っている事を忘れてはならないと思います。

 

このコロナ禍、必死で支えてくれている人達に感謝です。

 

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